フミログ

発達障害、知的障害のことから日々の生活のことまで。

やるべきことに取りかかれない日

今日は朝からぼんやりとiPadをいじり続けています。
家事も全然進まないし、その他やるべきことも山積み状態のまま。食事も満足にとれていません。
複数のやるべきことが重なると、何から手を付けていいかわかりません。
観てないDVDがたまってるなあ、見たいなあ。でも一人の時間が無いし。ポータブルプレイヤーが欲しいなあ。
こんな風に思ってしまったら、もう好奇心に負けてポータブルプレイヤーを検索してしまいます。
そして過集中。
頭の中にはどんどん新しい言葉が浮かんできて、次々に検索してしまいます。
気が付いたら数時間経っています。
やるべきことは何一つ手付かずのまま。
今日中にやらなくてはならないことは複数あるはずなのですが。

これはADHDの特性なんですね。
物事の優先順位をつけられない、刺激をキャッチして反応してしまう、過集中、先延ばし癖、短期記憶の弱さといったところでしょうか。

私の日常はこんなことばかりです。頭の中は常にフル回転して、どんどん新しいことを思いつくのですが、それに取り掛かろうとした瞬間に別の考えで頭がいっぱいになり、何をしようとしていたか忘れてしまいます。
今日は少し疲れているようなのですが、こんな時は特にひどいです。
何かしようとして立ち上がった瞬間、頭は真っ白。話しかけられても、テレビの音や映像に気をとられてもダメです。何をしようとしていたのか、何をしていたのか、まるで思い出せません。
何もできないです。
思い出そうとして視線を泳がせると、別の刺激(私にとって好ましいもの)が目に入って、それに完全に気持ちを持っていかれます。そしてまた過集中。
コントロールできない自分が嫌になります。

そうは言っても。
私をコントロールできるのは私しかいません。どうにかしなければ日常生活が回らないのです。
こんな時に有効な手段は可視化です。
とにかく書き出します。
実は今書いているこの文章も自分の精神状態を可視化するために書いています。
私の脳はシングルタスクです。一つの事しか認識できません。
なので、それ以外の事を記憶に留めるのは、紙や電子機器に任せます。
そして、一つ一つ処理する様に自分に指示を出します。
落ち着いて、慌てないで。
明日でいい事は明日に回して、今日やるべき事だけを確実に終わらせること。

そしてもう一つ、とても大事なこと。
きちんと休むこと。
私は特性上、刺激に弱く、とても疲れやすいです。刺激をカットする脳のフィルターが機能してないのですね。
疲れると、極端にキャパが狭くなって特性が強く出ます。
今日の様に極端に何もできない時は疲れているのだと思います。
ですが、私は疲れているというのがよくわかりません。セルフモニタリングがとても弱いのだそうです。
体が動かなくなって、体のあちこちに痛みがあって、鋭い耳鳴りがして初めての疲れているんだと自覚できます。
その状態になってしまうと、一晩では疲労回復できないみたいなのです。
そうなる前に休養をとらなくてはいけませんね。

今からタスクリストを作って、やるべきことに取りかかります。
少しでも何か終わらせて、今日の自分を嫌いにならない様に。
そしてゆっくりと休んで、今日の様な自分でもまあいっか、明日頑張ろうと許してあげられる位にキャパを広げたいです。
思い通りに動いてくれない自分自身とは、一生のお付き合いになるのですから。





Google Calendarで見通しを立てる

我が家の長男は、自分で先の見通しを立てるのが難しい特性を持っています。見通しが立たない事は強い不安に繋がります。不安を言語化するのも難しく、言語化できない不安は身体症状となって表れます。
見通しを立てるにはどうすれば良いか。紙に書いたり、メモを壁に貼り付けたり。ホワイトボードを使ってみたり。色々試していく中で、ある問題点が見えてきました。
我が家の子供達は二人共、別々の予定表に書いてある予定や情報を、頭の中で同期させる事が難しいみたいなのです。
例えば次男の場合。学校の予定表と部活の予定表をそれぞれもらってくるのですが、同じ日に入っている予定を、感覚的に同じ日だととらえるのが難しいみたいなのです。長男も同じです。学校の予定表とリビングの予定が書き込んであるカレンダーを脳内で同期させるのが難しいみたいなんですね。カレンダーの形が違うと、同じ日だと認識するのが難しいみたいなのです。
お陰で、二人共何度も何度も私に予定を聞いてきます。お母さん、この日は何があるんだっけ?部活は?校外学習は?持っていく物は?聞かれるたびにホワイトボードに貼っているプリントを見せ、カレンダーで予定を確認し、この日まで準備しないとね、と指示を出します。二人共にです。しかも一つの予定につき、何度も確認してきます。私もウンザリします。
何度口で言っても、見通しを立てるのは難しいですよね。やはり可視化しないと。 
どうしたもんか。
長男はAndroidスマホを、次男はipadをそれぞれ使っています。これを活用できないかと思いました。
視覚的にシンプルで、アカウントで同期できて、リマインダーのセットができるアプリといえば、やはりGoogle Calendarだろうと思いました。

Google Calendarのどこが良かったかと言えば。
とにかくシンプルで長期の見通しが立てやすいという点でした。
あと、Androidスマートフォンだったら、ウィジェットにしてホーム画面に貼り付ける事ができます。それも良いと長男が言っていました。

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こんな感じですね。このままスクロールできるし、タップすればアプリが開きます。残念ながらipadiPhoneにはこの機能は無いようですね。

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スケジュール欄はこんな感じ。入っているスケジュールのみ表示されます。
住所を入力すればGoogle Mapと繋がって、このままナビを開けるし、ナビから到着時間を予想して、出発30分前に通知してくれます。


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▼マークをクリックすれば、カレンダーが出てきます。



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予定を一日のみの表示にすると、タイムテーブルが出てきます。
一週間の表示にする事もできます。



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モザイクだらけで見にくいですが、一ヶ月の予定の表示はこんな感じ。
私のスマホには長男と次男それぞれのアカウントを登録して、色分けして表示される様にしています。子供達の端末からは自分の予定しか見えない様にしています。



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メモ欄には細かい情報を書き込みます。これで一々プリントや手帳で確認する必要がないですね。
入力が面倒なら、プリントを写真にとってgoogledriveに保存すれば、このページから開く事ができます。

このアプリを使い始めてから、子供達に予定を聞かれる事が激減しました。入力するのは面倒ですが、毎日何度も予定を確認されるよりはいいと私は思います。
次男はジョルテで日記を書いているので、次男のみジョルテとも同期させました。

何よりも、長男がこれを使い始めて予定が見える様になって良かったと。
見通しが立ちやすくなったのですね。
前に他のアプリを試した事があったのですが、よくわからないと言われて却下になりました。Google Calendarはシンプルな表示なので把握しやすいのでしょうね。

写真は全て私のAndroidスマホスクリーンショットです。ipadだと少し使える機能が違ってくるみたいです。
ipadでもAndroidでも、デフォルトのカレンダーと自動で同期します。Google Calendarに入力された内容が、そのままデフォルトのカレンダーに表示されます。

Google Calendarを取り上げた記事はたくさん見かけますが、発達障害で見通しが立てづらい場合の支援アプリとしての視点からまとめてみました。
最後になりますが、私にスマホへのgmailアカウントの登録の仕方をTwitterで教えてくださったkukkanenさんが、アプリ活用法をブログで提案されています。

http://www.kukkanen.tokyo/

私もこれから子供達と一緒にアプリでできる事を探していきたいと思っています。
















 

家庭内別居のススメ

先日、主治医と発達障害を持つ夫婦が上手くいくにはどうすれば良いかについて話しました。
主治医曰く発達障害の夫婦は上手くいかないのだそうです。
上手くいく方法は無いですかね?と聞くと、一番いい方法は別居だと。
あ〜、なるほど〜、別居ね〜。いいかも〜。
とか、そこで終わるわけにはいきません。
これでは何の解決にもなってないわけで。
では、どうすればいいでしょう?
主治医から言われたのは、家庭内に家族それぞれのパーソナルスペースを作ることでした。
個室である必要は無いとの事。
とにかく逃げ場を作ることが大事だと。

発達障害のある我が家の家族は切り替えが下手で、すぐにテンパってしまいます。
しかも一旦一つの考え方にとらわれると、頭の中でずっとその考えがぐるぐると回り続けます。
まいっか!とかちょっと一旦置いといて、こっちを優先しよう、後から考えよう、というのが中々できません。
その切り替えをする為に必要なのが、クールダウンエリアです。
一旦頭を冷やして、冷静になるためのスペースですね。
発達障害を持つお子さんがパニックになった時に、押入れの中などお気に入り場所にこもって頭を冷やす事はよくあるかと思います。
このクールダウンエリア、発達障害を持つ大人にも必要なものなのですね。

発達障害を持つ方で、些細な事でダメージを受けてパニックになり、キレてしまったりフリーズしてしまったりする事はあるのではないかと思います。
そんな時、気持ちを切り替える為に刺激を避けた静かな場所で頭を冷やす事がとても有効です。
これは訓練でできるようになります。
学校などでパニックになってしまった時に、時間を決めて一人で静かに頭を冷やします。
タイムアウトと呼ばれるやり方ですね。
我が家の子供達はこれを繰り返しているうちに、頭に血が登った時に自分からストレスの元と距離をとって、冷静になるための時間を作るようになりました。
これはとても大事な事です。
冷静になれば自分が偏った極端な考え方で誤解していたと気づく事もできます。
でも、冷静になれない状態で無理にストレスを抑えつけると、いつまでも納得いかないまま偏った考え方にこだわってしまいます。
ストレスはその場で解消する事がとても大事なのです。

家庭内に個人専用のクールダウンエリアを設けて、そこでクールダウンする事を繰り返していると、その条件下であればクールダウンできるようになるようです。
こだわりの特性が良い方に働いているのかも知れません。
夫婦間でも同様に、臨戦態勢に入った場合はそれ以上のヒートアップを避けてクールダウンする必要があると思います。
我が家の様な発達障害の夫婦の場合、頭に血が登った状態での議論は不毛でしょう。思考にバイアスがかかっていい結果にはならないと思います。
雨降って地固まる、というのは我が家の場合ありません。土砂降りで溝が深まるだけです。

ケンカ以外でも、発達障害者にはクールダウンが必要です。
例えば、仕事や学校から帰宅した時。
静かな室内に戻ってくると、頭の中にその日一日起こった事や話した事が怒涛の如く押し寄せて、軽くパニックの様になる時があります。
切替ができません。
そんな時に一人静かに頭を冷やす場所と時間があれば、落ち着きを取り戻す事ができます。
まいっか、後から考えよう、次の事しなくては、と切り替えられるのです。

発達障害を持つ私や家族にとって、一人になる時間はとても大事です。
この時間がとれなければ、すぐに精神的なバランスを保てなくなります。

家庭内でのクールダウンエリアはパーソナルスペースである事が理想です。
私は発達障害特性の一つ、感覚過敏を持っています。
音と光に過敏です。
夜のリビングルームはテレビの音、ゲームの音、話し声、明るい照明など音と光に溢れていて、ストレスを感じてしまう場所です。
でも、旦那は私とは逆に明るい照明やテレビが無いと落ち着かないようです。

そう、合いません。最悪です。一緒にいれません。

お互いがストレスをできるだけ感じないで生活するためには、クールダウンできるパーソナルスペースの確保がとても大事なのです。
刺激を受けすぎて辛くなった時に逃げ込める様に。
頭に血が登った時、冷静になるために。
自分だけの安心できる安全地帯を持つことが、気持ちのバランスを保つ為にとても重要なのです。

兄弟間でも同様に、距離を置く事が大事だと主治医から言われました。
我が家では意識的に兄弟を離す様にしました。
車内や外食の時に隣に座らせない事。
出掛けた先でも旦那と二手に別れて兄弟それぞれに付きました。一緒に行動する事はまずありませんでした。
二人共激しい多動があったので、大人一人で二人を連れての外出はよほどの事で無い限りありませんでした。
家では二人だけで遊ばせる事をできるだけ避ける様に。
習い事は別々に。
長男は以前、キレると見境なく暴れて、次男を攻撃しようとしていました。
次男の身の安全の為にも、兄弟を離す事は最優先課題でした。
以前は暴力的なトラブルが何度もありましたが、本人達が自然と距離をとる様になり、今ではゲームや音楽の事などくだらない話しかしなくなりました。
お互いへの突っ込みは大人、つまり私を仲介する事をルールにしています。

お互いの特性がぶつかり合って、潰し合わない為に。
我が家の家族は家庭内にパーソナルスペースを持つ事が大事です。
別居するのがいいとか言われましたが、そこまでは物理的に不可能です。
家庭内別居がよろしいかと。
距離を保つことで上手くいくこともあると思うのです。

一般的に家族や夫婦は一緒に居ることが良きことの様に言われますよね。
私は全然そんな風に思いません。
一人の時間が欲しいです。
仮に旦那がすごく趣味も話も合う人であっても、ずっと一緒に居ると疲れてしまうと思います。
一人でぐるぐる回る頭を冷やす時間が欲しいのです。
こう思うのは、ずっと私のわがままだと思っていました。
でも、発達障害と診断されて、これは特性なんだと知る事ができました。
人と話すのは楽しいと思います。たまに会う友人との時間は楽しみです。
でも、ものすごく疲れます。
これは相手が好きとか嫌いとかの問題では無くて、刺激に弱い特性のせいなのです。
家族や夫婦の間でも、こういった事を理解して上手くやっていければ、平和に暮らせると思うのですが。

思うのですが、どうだろう。上手いこといけばいいですが。
やっぱり別居しかないのかなあ…。
うーむ。







ちょっと愚痴~発達障害家族の暮らし

最近、疲れています。

家族全員が発達障害と聞けば何となく大変そうだなあ、と思ってくださるでしょうか。
大変な事は色々あります。子供達の成長、旦那との距離感、状態、その時々で変わってきます。

スモールステップの指示

最近、きついなあと思うのが、スモールステップの指示です。我が家は40代の旦那、高二の長男、中二の次男が居ますが、この人達は細かく指示を出さなければ動きません。

子供達の場合。
学校に行く日は、パターン化しているのである程度自分でできます。
でも、帰宅後や休日は、疲れもあって、指示を出さなければいつまでも固まっています。

着替えなさい
洗濯物出しなさい
水筒出しなさい
宿題は?
お風呂入りなさい
ご飯食べなさい
薬飲みなさい
寝なさい

繰り返しますが中学生と高校生です。
ほっときゃいいじゃない、と言うご意見を頂きそうですが、特性上、失敗経験から学ぶ事が難しいのです。
両極思考もあるのでしょうか。失敗=駄目な自分という自己評価をしてしまいます。
失敗してしまった!というパニックもあります。
体調も崩しやすく、生活が不規則になるとすぐにダウンしてしまいます。
何よりも、いつまでも固まっていられては生活が成り立ちません。
紙やボードに書いて渡すなども試しましたが、見ながら行動するというのが難しいみたいなのです。
幼い頃から療育を受けていれば、構造化に慣れて視覚支援が受けやすくなっていたかも知れません。
ですがうちの子達は二人とも、小学生からの療育スタートです。コミュニケーションや気持ちの表出の訓練が主な内容でした。読むことが困難な特性も持っていて、視覚支援も中々思うようにいきません。
けれど、耳からの指示を受けるのも言葉が上滑りしたり聞き取れなかったりで難しいのです。

子供達には今、自立に向けて積極的に自分でできることは自分でやろう、と働きかけています。
これが難しい。
例えば、台所のフライパンの中にあるスタミナ丼を自分で温めて食べなさい、と言う場合。 
うちの子供達には、台所のフライパンの中にスタミナ丼があるから、①ガスの元栓を開けて②蓋をとって③ガスの火を中火でつけてかき混ぜて④丼にご飯をついで⑤ぶくぶくいいだしたら火を止めて⑥お玉ですくってご飯にかけて食べなさい、と指示を出します。
スモールステップで指示を出すというのはこういうことです。
以前は隣に居て、①から⑤までの指示をその都度出さないとわからなくなって固まっていました。
最近では私が他の事をしながら声をかければできる様になりました。

そう、成長しているのです。
これがやってもずっとこの状態なら、諦めます。
でも少しずつでもできる様になっているのですから、頑張らなくてはなりません。 

言う前に私が自分でやった方が早いです。
でも、くじけてはいけません。

ただね。

生活全てがこんな調子です。
しかも子供達二人ともです。
二人とも発達障害ですが、二人は正反対の特性を持っています。
対応も指示の出し方も変えなくてはいけません。
思春期だったり、反抗期ならではの反応もあります。

疲れます。

いや、疲れてる場合じゃないんですけどね。
わかってるんですが。
こんなことやってて意味あるのかな、私が疲れて終わりじゃないの?と思うこともあります。
でも、少しでも可能性があるなら、やらない選択肢は選べません。

急な変更に弱い

旦那はここまで細かく指示を出す必要は無いのですが、シチュエーションによっては全く動けなくなります。
ずばり、いつもと違う状況ですね。
彼の一番のパニックのツボは私の体調不良です。

私はメンタルの病気を抱えていて、ストレスが多かったりすると寝込んでしまったり、過呼吸の発作を起こしてしまう事があります。
疲れやすい発達障害特性からのものなので、静かに休ませてもらえれば良くなります。

ですが、旦那が帰宅して私が寝込んでいると、めしは!めしどうするん!と大騒ぎします。
帰宅したら私が寝ている、といういつもと違う状況が受け入れられないのですね。
そして、フリーズ。スマホのゲームを延々とし続けます。
スマホのゲーム=いつもやってる事。
受け入れられない状況からの逃避ですね。
この状態になると、スモールステップの指示を出さなければ彼は何もできません。
どうしていいかわからないんですね。
わかっているのですが。

メンタルが落ちて寝込んでいるときに、スモールステップの指示を出すのはしんどいです。
しゃべる事はおろか、まともに声も出せない状態です。
そんな時にどこに行って何をどの位、いくらぐらいまで買ってきて、長男は油っこいもの苦手で次男はとにかく食べられるものね、とか細かく言わなければいけません。
お店に目的の物がなければ、電話を繋ぎっぱなしでリモコン状態で指示出しです。
ちなみに旦那は料理はほとんどできません。
たまにお好み焼き等を作ってくれることはありますが、急に作ってと言われたらパニックです。
彼にとって仕事した日は家の事をする日ではないのです。

食べ物に強いこだわりを持っているのは旦那だけなので、一人で外食でもしてくれれば子供達は自分達で適当に食べることはできます。
でも、パニックになった旦那はそんな提案も受け入れられません。
彼にとって、夕飯は家族全員で食べるものなんですね。

そもそも寝込むのが悪いんだから、と自分に言い聞かせるのですが、寝込むのって悪いことなのでしょうか?
私は身体は丈夫な方で、風邪などで寝込むことはほとんどありません。
メンタルで寝込むのも年に数回です。

特性だから仕方無いの?

これは、我が家の永遠のテーマでは無いかと思います。
特性だから仕方無い、でも、全て受け入れられる程私にはキャパがありません。
家族にはそれぞれ、自分の特性を把握して、折り合いを付ける努力をして欲しいと思うのですが。

中々難しいです。

でも、頑張らないとね。

ぐちぐち失礼致しました。















発達障害と食卓事情


こだわりとの戦い~食卓編 - フミログ

先日のこちらの記事に対する発達障害特性を持つお子さんの保護者の方の呟きを、いくつか拝見させていただきました。
何と言っても食の事、悩みは深いですね。
私も子供たちが小さかった頃はどうやったら食べてくれるか、こんなに食べなくても大丈夫なのかとずいぶん悩んだものです。
結論から言えば。
少々食べなくても元気なら大丈夫です。育ちます。
鶏ガラの様に細くて心配でしたが、我が子達は思春期で一気に周りに追い付きました。
もう少し詳しく、我が家の食卓についてお話ししたいと思います。


全然食べなかった長男

赤ちゃんの頃の長男は、よく寝てよく飲む、とても育てやすい子でした。
子育て楽勝やん!とか思っていました。
ところが。
立ち上がると同時につたい歩き、あっという間に走り出しました。
走り出したら止まりません。
起きている間はずっと走っています。
食事中でも止まりません。
お行儀悪いので座らせようとあの手この手を尽くしましたが、無駄でした。
発達障害特性の一つ、多動です。
多動も場合によっては食べることに影響してしまう特性なのですね。
ご飯は味見程度に一口二口食べるだけ。
後は牛乳をごくごく飲んでおしまい。
その食べ物に興味があれば食べる事もありましたが、興味の無い物はスルーです。
多動がある場合は、あちこちに興味が飛び散ってしまうので、食事に集中することができません。
おまけにセルフモニタリングも弱いので、自らの空腹に鈍感です。
この子はこれで生きていけるんだろうか、と専門家にも相談しましたが、大丈夫だと思いますよ~というお答えしかもらえませんでした。

長男は現在、高校生になりました。
食は細いままです。
ですが食べることが楽しみで、偏食の無い細マッチョな男に育ちました。
小さい頃に鶏ガラの様な細い体でも、別に問題はありませんでした。


次男の味覚過敏

次男は長男と違って、じーっと座って食べ続ける子でした。
多動もありましたが、摂食に影響はありませんでした。
ですが、謎の偏食がありました。
前の記事でもお話しした、味覚過敏によるものです。
次男は食欲旺盛な子だったので、食べられる物はいくらでも食べました。
食べすぎてしまうこともしばしば。
でも、食べられないものは一口も口にしません。

まだ次男の発達障害の診断がつく前でした。
10年程前の事、私は発達障害という言葉すら知りませんでした。
長男の様に少食でもない、食べるときはたくさん食べる次男の偏食はわがままなのだと思いました。
食べられないわけじゃないでしょう、食べなさい!と言って、無理矢理食べさせようとしました。
次男は食卓でよく泣いていました。

次男は味覚が私達と違います。
後に本人からの聞き取りでわかったのですが、甘味を苦味に、酸味を辛味に感じていたようです。
辛味は痛覚を刺激していたようです。
同じものを口にしても、まったく違う味だと感じていたのです。
中には、痛いと感じてしまう食べ物もあったのです。

ひどいことをしていました。

無知とは恐ろしいものです。
私は自分の価値観だけで、次男に拷問の様な事をしていました。
幼い次男が食卓に座ったまま泣く姿が、今も思い出されます。

中学生になった現在、食べられる物は増えました。
味覚は成長と共に発達するのですね。
甘味が苦味に感じる事は少なくなったようです。
酸味や辛味は、変わらず刺激になってしまうようです。小さい頃より弱い刺激になっているようですが。
次男は給食が食べられないことを気にして、頑張って食べるから!と言います。
頑張らなくていい、食べられるものだけ食べなさい、先生にはお話してるからと私が言っても、食べられないのは悪いことだという認識を変えるのは難しいです。


こだわりとどう付き合うか

我が家にはもう一人、偏食の人が居ます。
旦那ですね。
旦那は前の記事でも書いた様に、強いこだわりから食べられない物がたくさんあります。

美味しいと感じるのに食べられない。
これは損だと思います。
次男の場合は、そもそも美味しいと感じていません。
でも旦那の場合は、こだわりが邪魔をして美味しい物でも食べられないのです。
旦那は自分がこだわりに縛られているのだと気が付いても、こだわることを止められません。
大人になってからでは、こだわりを崩すことは難しいのだと思います。

発達障害特性を持つお子さんで、食に限らず、生活の中で様々なこだわりを持つ子は多いのではないでしょうか。
こだわりを通すことは気持ちの安定に繋がると思います。
ですが大人になってからもこだわりに縛られていては、できることが限られてしまいます。
こだわりを優先すると、選択肢が限られてしまいますね。
ある程度成長して理解力が深まってきたら、こだわりに対する折り合いを付けられるようにお話されてみてはどうかと思います。
こだわりを全て崩さなくていけないとは思いません。本人なりの理由があると思うのです。
本人も周りもここまでならいいか、と譲れる妥協点が見つかると生活しやすくなるのではないかと思います。

食べられない原因がこだわりなら、折り合いをつける事で本人の食の世界が広がるかも知れません。
無理の無いペースでこだわりという縛りをといてあげるといいかも知れません。


食べることを楽しみにして欲しい

何故、私は泣いて嫌がる次男に無理に食べさせようとしたのでしょうか。
栄養をきちんととることは健康な体、健康な生活のための基本です。
誰でもわかっていることですね。
それ以前に、きちんと食べることが正しいという固定観念に縛られていたのではないかと思います。
小さな頃から、出されたものを残さずたくさん食べれば誉められました。
その感覚を次男に押し付けてしまいました。
発達障害があると、考え方が偏ってしまい、食べる事が嫌いになってしまう危険性もあります。
もう少し気が付くのが遅かったら、私は次男から食べる楽しみを奪っていたかも知れません。

食べられない理由が何であるか、それを見極めるのはとても大事なことだと思います。

多動で少食だった長男も、味覚過敏の次男も、今は食べることを楽しみにしてくれています。
食べられることは当たり前ではなく、幸せなことなのだと理解しています。
食べられない理由は様々です。
誰もが楽しく食べられるように。
価値観に縛られて、食べることが苦しくなってしまう方が一人でも減って欲しいと思います。





































こだわりとの戦い~食卓編

我が家には、極端な偏食の人が二人います。
単純な好き嫌いもあると思いますが、それだけではありません。
発達障害特性と絡んでいます。


次男の場合

保育園に通っていた頃は白い物しか食べませんでした。
うどん、白ご飯、豆腐、シチュー、ジャガイモ、玉ねぎ、人参、挽き肉、鶏肉、白身の魚、納豆、お店のラーメン。
甘いカレーとハヤシライスも大丈夫でしたね。
炊き込みご飯も食べられました。
お菓子はじゃがりことリッツのみ。
ジュースは100%のりんごジュースのみOK。
牛乳は大好きでした。
メーカーが限定されていましたが、ヨーグルトも食べられました。
果物は苺とバナナとキウイと桃とりんごだったかな。
これ以外の物は、ほとんど食べられませんでした。
ドレッシングやマヨネーズ、ケチャップ等の調味料は一切ダメ。辛いのだそうです。
お醤油と味噌は大丈夫でした。味噌はお味噌汁限定でしたが。
甘いものも一切ダメでした。甘味は、苦く感じていたようです。
苦い薬は平気で飲んでいました。
甘味がつけてある薬は全力で嫌がりました。
どれだけお腹が空いていても、食べられない物は絶対に食べません。
保育園の給食では、食べられない食材でも調理法によっては食べられたりするので、保育士さんも首をかしげていました。
普通の偏食とは違う感じがするので、無理に食べさせるのはやめようという話になりました。

長男の診察の時に、この次男の偏食の話を主治医にしたのが、次男の初診に繋がるきっかけの一つでした。
感覚過敏の一つ、味覚過敏だろうと言われました。
次男は食べること自体は大好きなので、食べられる物はたくさん食べます。
でも、食べられない物は絶対に食べません。
小学生の頃、インフルエンザをこじらせて小児科病棟に入院したのですが、出された病院食を一口も食べませんでした。
食べられないのなら点滴が外せないから退院させられない、何か食べられる物を持ち込んでくれと言われました。
次男が好きなうどん屋さんの炊き込みご飯を旦那に買ってきてもらって食べさせたところ、大パック半分ほど食べました。
翌日、退院の許可が出ました。

中学生になった現在、小さい頃よりも食べられる物はかなり増えました。
味覚が発達して、小さい頃ほど過敏では無くなったようです。
今でもマヨネーズやドレッシングはダメです。
ケチャップは大丈夫になりました。
甘いものも大丈夫ですね。和菓子が大好きです。
給食は食べられない物を他の子に食べてもらっているそうです。
外食やコンビニ食やスーパーのお総菜はハードルが高いです。仕出し弁当も食べられません。
味が濃いものはダメみたいですね。

食べ物が周囲と共有できないというのは、社会に出てからコミュニケーションの上で難しい場面が出てくると思います。
どうすれば上手くいくか、一緒に考えていきたいと思います。


旦那の場合

私は新婚の頃、料理が嫌いではありませんでした。
手際が悪いので得意ではありませんが、冷蔵庫の中にあるもので適当にオリジナルなおかずを作るのが好きでした。
その方が経済的でもあるかと。

旦那は、そんな食卓に一々文句を言いました。
食えない!と。
何で?と聞くと、何となく、と。
食卓を一目見てスーパーでお総菜を買ってくることも数知れず。
一口食べてもらって、美味しいかと聞くと、美味しいと言います。
でも、食べられないのだそうです。

その後は旦那の好みに合わせて食事を作るようにしました。
でも、どうしても食べられる物と食べられない物の区別ができません。
特定の物や味が食べられないわけでも、食感がダメなわけでも無さそうです。
本人に聞いても答えは何となく、でした。
明らかに好き嫌いとは違いました。

最近になって。
旦那も家族も発達障害だと診断されてから、発達障害の事を家族で勉強しました。

ラーメン屋さんに行った時の事でした。
旦那はとんこつラーメンが大好きで、とんこつラーメンなら毎日でも食べられるという人です。
その日も、とんこつラーメンを注文しました。
私は、辛味噌入りのとんこつラーメンを注文しました。
この辛味噌入りのとんこつラーメンが素晴らしく美味しくて、旦那に一口味見をするようにすすめました。
味見をした旦那が一言、うまい、と。
でも、その後に苦笑しながら、うまいけど食べられないと。
これがラーメンと書いてなければ食べられる、ラーメンと書いてある物が辛いと食べられないと言うのです。

発達障害特性の一つ、こだわりです。

長年の謎が解けました。
本人もこだわりだと苦笑しながら認めていました。
発達障害特性について勉強していたので、気付く事ができたのです。

旦那には、食べ物へのこだわりがたくさんあります。

カレーやシチューがドリアやグラタンになるのはありえません。
カレーが鶏肉だったり緑色だったりするのもありえません。玉ねぎ、人参、じゃがいも以外の野菜が入っているのもNGです。ドライカレーもありえません。
ラーメンの汁が白くないのはダメ、お味噌汁に人参やもやしはありえない。(豚汁ならOK )
目玉焼きは黄身が固まっているのは食べられない。ベーコンエッグもダメ。
ハンバーグにはケチャップ!(他のソースはありえない)
トマトは生で食べるもの!
刺身は刺身!(余ったから翌日リメイクしたものなんか食えない)
果物はおかずじゃないだろ!(八宝菜やポテトサラダのりんごやパイナップル)
カボチャはサラダやスープで食べるものじゃない。
肉じゃがはつまみだ、ご飯のおかずじゃないだろ、ご飯のおかずはどれ?
知らない物は食えない。
残したらダメ、絶対食え!(俺は食えないけどな)

知るか~!

とは言いません。
他にもたくさんありますが、とても書ききれないですね。



発達障害の生きづらさは、こういう所にも表れます。
嫌いな食べ物はありますか?と聞かれて一言で答えられなかったり、好きなものでもこだわりに縛られて食べられなかったり。
食べられないということを、食べられる人に理解してもらうのは難しいです。
食べられない物は、どうしても食べられないのです。
極端な話、命の危険があっても、食べることができないのです。
無理に食べさせようとしないで、本人達の好きなようにさせていただけるとありがたいです。

ご飯は楽しく食べて欲しいと思っています。
食事が苦痛の時間にならないように、工夫していきたいです。
てすが。
できれば、ご飯を作る人を労ってくれたら嬉しいなあとは思います。
言いませんけどね。