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家庭内別居のススメ

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先日、主治医と発達障害を持つ夫婦が上手くいくにはどうすれば良いかについて話しました。
主治医曰く発達障害の夫婦は上手くいかないのだそうです。
上手くいく方法は無いですかね?と聞くと、一番いい方法は別居だと。
あ〜、なるほど〜、別居ね〜。いいかも〜。
とか、そこで終わるわけにはいきません。
これでは何の解決にもなってないわけで。
では、どうすればいいでしょう?
主治医から言われたのは、家庭内に家族それぞれのパーソナルスペースを作ることでした。
個室である必要は無いとの事。
とにかく逃げ場を作ることが大事だと。

発達障害のある我が家の家族は切り替えが下手で、すぐにテンパってしまいます。
しかも一旦一つの考え方にとらわれると、頭の中でずっとその考えがぐるぐると回り続けます。
まいっか!とかちょっと一旦置いといて、こっちを優先しよう、後から考えよう、というのが中々できません。
その切り替えをする為に必要なのが、クールダウンエリアです。
一旦頭を冷やして、冷静になるためのスペースですね。
発達障害を持つお子さんがパニックになった時に、押入れの中などお気に入り場所にこもって頭を冷やす事はよくあるかと思います。
このクールダウンエリア、発達障害を持つ大人にも必要なものなのですね。

発達障害を持つ方で、些細な事でダメージを受けてパニックになり、キレてしまったりフリーズしてしまったりする事はあるのではないかと思います。
そんな時、気持ちを切り替える為に刺激を避けた静かな場所で頭を冷やす事がとても有効です。
これは訓練でできるようになります。
学校などでパニックになってしまった時に、時間を決めて一人で静かに頭を冷やします。
タイムアウトと呼ばれるやり方ですね。
我が家の子供達はこれを繰り返しているうちに、頭に血が登った時に自分からストレスの元と距離をとって、冷静になるための時間を作るようになりました。
これはとても大事な事です。
冷静になれば自分が偏った極端な考え方で誤解していたと気づく事もできます。
でも、冷静になれない状態で無理にストレスを抑えつけると、いつまでも納得いかないまま偏った考え方にこだわってしまいます。
ストレスはその場で解消する事がとても大事なのです。

家庭内に個人専用のクールダウンエリアを設けて、そこでクールダウンする事を繰り返していると、その条件下であればクールダウンできるようになるようです。
こだわりの特性が良い方に働いているのかも知れません。
夫婦間でも同様に、臨戦態勢に入った場合はそれ以上のヒートアップを避けてクールダウンする必要があると思います。
我が家の様な発達障害の夫婦の場合、頭に血が登った状態での議論は不毛でしょう。思考にバイアスがかかっていい結果にはならないと思います。
雨降って地固まる、というのは我が家の場合ありません。土砂降りで溝が深まるだけです。

ケンカ以外でも、発達障害者にはクールダウンが必要です。
例えば、仕事や学校から帰宅した時。
静かな室内に戻ってくると、頭の中にその日一日起こった事や話した事が怒涛の如く押し寄せて、軽くパニックの様になる時があります。
切替ができません。
そんな時に一人静かに頭を冷やす場所と時間があれば、落ち着きを取り戻す事ができます。
まいっか、後から考えよう、次の事しなくては、と切り替えられるのです。

発達障害を持つ私や家族にとって、一人になる時間はとても大事です。
この時間がとれなければ、すぐに精神的なバランスを保てなくなります。

家庭内でのクールダウンエリアはパーソナルスペースである事が理想です。
私は発達障害特性の一つ、感覚過敏を持っています。
音と光に過敏です。
夜のリビングルームはテレビの音、ゲームの音、話し声、明るい照明など音と光に溢れていて、ストレスを感じてしまう場所です。
でも、旦那は私とは逆に明るい照明やテレビが無いと落ち着かないようです。

そう、合いません。最悪です。一緒にいれません。

お互いがストレスをできるだけ感じないで生活するためには、クールダウンできるパーソナルスペースの確保がとても大事なのです。
刺激を受けすぎて辛くなった時に逃げ込める様に。
頭に血が登った時、冷静になるために。
自分だけの安心できる安全地帯を持つことが、気持ちのバランスを保つ為にとても重要なのです。

兄弟間でも同様に、距離を置く事が大事だと主治医から言われました。
我が家では意識的に兄弟を離す様にしました。
車内や外食の時に隣に座らせない事。
出掛けた先でも旦那と二手に別れて兄弟それぞれに付きました。一緒に行動する事はまずありませんでした。
二人共激しい多動があったので、大人一人で二人を連れての外出はよほどの事で無い限りありませんでした。
家では二人だけで遊ばせる事をできるだけ避ける様に。
習い事は別々に。
長男は以前、キレると見境なく暴れて、次男を攻撃しようとしていました。
次男の身の安全の為にも、兄弟を離す事は最優先課題でした。
以前は暴力的なトラブルが何度もありましたが、本人達が自然と距離をとる様になり、今ではゲームや音楽の事などくだらない話しかしなくなりました。
お互いへの突っ込みは大人、つまり私を仲介する事をルールにしています。

お互いの特性がぶつかり合って、潰し合わない為に。
我が家の家族は家庭内にパーソナルスペースを持つ事が大事です。
別居するのがいいとか言われましたが、そこまでは物理的に不可能です。
家庭内別居がよろしいかと。
距離を保つことで上手くいくこともあると思うのです。

一般的に家族や夫婦は一緒に居ることが良きことの様に言われますよね。
私は全然そんな風に思いません。
一人の時間が欲しいです。
仮に旦那がすごく趣味も話も合う人であっても、ずっと一緒に居ると疲れてしまうと思います。
一人でぐるぐる回る頭を冷やす時間が欲しいのです。
こう思うのは、ずっと私のわがままだと思っていました。
でも、発達障害と診断されて、これは特性なんだと知る事ができました。
人と話すのは楽しいと思います。たまに会う友人との時間は楽しみです。
でも、ものすごく疲れます。
これは相手が好きとか嫌いとかの問題では無くて、刺激に弱い特性のせいなのです。
家族や夫婦の間でも、こういった事を理解して上手くやっていければ、平和に暮らせると思うのですが。

思うのですが、どうだろう。上手いこといけばいいですが。
やっぱり別居しかないのかなあ…。
うーむ。