自立について
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先日、長男と改めて自立について話した。
一人暮らししてみたい?家を出てグループホームとかに入りたいとか考えてる?と。
長男はうーん...と。
一昨年の春に特別支援学校の高等部を卒業して、就労支援B型に通所していた長男は、通所先の環境が合わずに二度の入院を経て退所した。
そしてこの春、新しい就労支援B型へ通い始めたばかり。
新しい通所先は何もかもが前と違っていて、新鮮で、通うのが楽しいらしい。
ここなら頑張れそうだと長男は言う。
うちに来てくれている訪問看護の先生が長男に、まずは10年続けられたらいいねと面談で仰った。
その言葉を受けて長男は、まずは10年今の暮らしを続けたいと言う。
二次障害を患っている長男、新しい通所先も休みがち。
まずは休まずに毎日通所できて、休みの日は好きな自転車に乗ったりする生活を10年くらい続けたいと。
家を出て自立することは、それができてから考えたいと言った。
就労支援B型の工賃を貯めて、新しいロードバイクも買いたいらしい。
ロードバイクが買えたら、その次は自立に向けて貯金をしたいと。
グループホームに入るにしても、お金はいると思うので、と。
私は、それでいいんじゃないかなと思った。
親元を離れて入所なりグループホームに入るなりするなら、できるだけ若いうちの方がいいのかも知れない。
その方が新しい環境に馴染みやすいから。
だから、本当はすぐにでも自立に向けて動き出した方がいいのだろうと思う。
グループホームは、希望してもすぐには入れないだろうし。
でも、まだ若い長男は、これから生きる上でかけがえのない経験を重ねていくのだろうと思う。
そして、その中のいくつかは、親元でなければできないものもあるのだろうと。
障害のある長男にとって、生きる力となるようなかけがえのない経験を得られる機会は、そう多くはない。
私は、まだしばらくは長男のそばにいて、そんな経験を得るための手助けができたらいいなと思っている。
次男の知的障害は長男と違って、軽度である。
いわゆる、境界知能に該当する。
軽度の療育手帳を所持する彼の将来は、重度の療育手帳を持っている長男のそれとはまた違った厳しさをもつものになると予想される。
軽度の療育手帳では、受けられるサポートは多くはない。
障害者雇用の対象にはなるけれど、障害者雇用で得られる収入では自立は難しい。
障害年金をいただきながら働くことが理想なのだけど、軽度の次男は障害年金の審査に通るのは難しいだろうと医師から告げられている。
障害年金がいただけないのであれば、国民年金も支払わなければならないし、自立するのであれば国保も払わなければいけないだろう。
特別支援学校に通って障害者雇用を目指している次男だけど、恐らくは最終的に一般枠での雇用をめざすことになるんじゃないかと思う。
でも、すぐにそうしなくてはならないわけではないので。
まずは障害者雇用で働いて、ゆっくりと力をつけてから一般枠に挑戦してみたらいいんじゃないかなと思う。
今、私が次男の為にできることは何だろうと考えていたのだけど。
心身ともに強くすることを手伝うことかなと思った。
バランスの良い食事を用意して栄養をつけさせること、リラックスできる環境でぐっすり眠れること、生活のリズムを整えること。
それに加えて、生きることが楽しいと思える心の豊かさが持てるように。
自分を好きでいてくれるように。
一緒に暮らしている間は、のびのびと息ができるような生活をさせてやれたらなあと思った。
そうすれば、厳しい環境に身を置くことになっても、のんびりと息をすることを忘れずに、まあいいかと思ってくれるんじゃないかなあと。
自らが生きていく道が厳しいものであることは、悲しいくらいに理解できている彼なので。
願うのは、子供たちがそれぞれ自分は幸せだと思って生きてくれること。
それだけ。
私はそのための手伝いができる、彼らにとっての身近な大人でありたいと思っている。
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