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眩しすぎて色が見えなかった長男

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fumikichi2525.hatenablog.com

17歳で色覚異常だと診断された長男

発達障害のある長男は以前、眼科専門病院で色覚異常だと診断されていました。

色覚異常にはいくつかタイプがあるらしいのですが、どのタイプの色覚異常なのかまではわからないと言われて。

長男は発達障害で精神科にも通院しているのですが、精神科のドクターにもう一度きちんと診てもらった方がいいのでは、と勧められました。

私も、Twitterで色覚特性を持つ方とお話させていただく中で、長男の色覚異常は何か違う?と違和感を覚えていたところだったので、精神科の主治医にお願いして、今度は大学病院に紹介状を書いてもらいました。

 

大学病院でもう一度診てもらった

大学病院でさらに詳しい検査をしていただいたところ。

何と、長男は色覚異常ではないという結果でした。

色を識別する細胞には異常がなかったそうです。

でも、長男は赤や青などの濃くはっきりした色や、白や黒しか見えていません。

黄色やピンクや黄緑、水色などは全て白く見えるし、青や緑も光の加減で黒く見えていたそうです。

眼に異常がないのに何故そう見えていたか。

認知の問題なのだと言われました。

眼は色を正しくとらえているのに、それを判断する脳の方に問題が起きていると。

長男は発達障害です。

発達障害特性の一つ、感覚過敏による、光に対する過敏で、眩しすぎて色が見えてない、と言われました。

ショックでした。

ここでも発達障害発達障害のせいで色が見えない?こんなところにまで発達障害の影響があるの?

何というか、打ちのめされたというか。

大学病院の診察後、色覚補正眼鏡を作ることを考えていました。

色覚補正眼鏡は、以前にサンプルを試したことがあったのですが、高価な割にあまり色覚が改善されず。

詳しい検査で色覚異常のタイプがわかれば、長男に合ったものを作れるのでは、と思ったのです。

ですが、色覚補正眼鏡は意味がないと言われてしまいました。

サングラスの方がいいと。

サングラスは度付きの少しいいのを作っていたのですが、それを見せたらこれでいいと思うと言われました。

ですが、そのサングラスでは色が見えることはありません。

それに、サングラスなのでつけっぱなしで生活するのは、視界が暗くなるので難しいです。

長男が色を見る手段はもうないということなのか……と、とてもがっかりした気持ちで大学病院を後にしました。

 

眩しくなければ色がみえるのでは?

大学病院の診察から数か月たったつい先日のことです。

雑談の中で長男が、水泳のゴーグルをつけていたら色が見えることがある、と話してくれました。

長男は小さな頃から長いこと水泳を続けています。

プールの水面は眩しいのでかなり濃い色のゴーグルを使っています。

そのゴーグルをつけていたら、何となく色がわかる時がある、というのです。

色がわかるなら、真っ暗でもいいから今よりも暗い色のサングラスを探してみるかな……と色々検索していたら、遮光眼鏡というものを見つけました。

医療用にも使われているもので、特殊なレンズで眩しさだけをとって視界が暗くならない、というものらしいのです。

そのレンズのメーカーさんに問い合わせたら、最寄りのサンプルがそろっている店舗を教えてくださいました。

早速、翌日店舗に行ってサンプルを試させていただくことにしました。

 

遮光眼鏡を販売している店舗へ

店舗を訪ねて長男のことを簡単に話して、遮光眼鏡を試したいと言ったら、奥の椅子に通してもらってテーブルの上に遮光眼鏡のサンプルをずらりと出してもらいました。

長男の話を聞いて、店員さんが勧めてくださったサンプルを何気なく長男が試したところ。

「…………見える」

一言言って固まっています。

え、見える?何が?

もしやと思い、目の前にあったカードに書いてあったGoogleのロゴを指さして、これなんて書いてある?と聞いたら

「……グーグル」

え、これがみえるん?と思わず声を上げてしまいました。

Googleのロゴはカラフルで、長男には見えないものです。

それが見えると。

それから手当たり次第にこれは?これは見える?と聞きましたが、ほとんどがうん、見える……と。

これは、すごい。もしかして、これはかなり良いのでは。

店員さんに促されて店外でサンプルを使ってみました。

真夏のアスファルト、普段の長男なら眩しくてまともに目が開けられないはずです。

でも。

「すごい、眩しくない…見える…」

感動が声にこもっていました。

私達両親もうれしくて、早速購入したい、屋外用と屋内用と二本購入したいと言ったら、店員さんはとりあえず今日は一本購入して、慣れてから追加で購入してはどうかと。

それもそうだな、と思ったので、その日は眼鏡の上につけるオーバーグラスを一本購入しました。

価格は税込み11,000円でした。

 

街がこんなにカラフルだとは知らなかった

店員さんにつけて帰りますか?と言われて遮光眼鏡をかけて店を出た長男。

うわあああ……と思わず声がもれます。

ローソンの看板!とか車が!とかただ歩いているだけなのに興奮している様子。

本人の強い希望で趣味であるロードバイクのお店に向かいました。

そこでビアンキというメーカーの自転車を見て、初めてこの色を見れた!とまた興奮していました。

別のお店で初音ミクを見て、初音ミクの髪の毛の色とそのビアンキの色が同じだと友達から聞いていたけど、初めて見れた!と。

空を見て、雲と空が分かれていることを知ったと。

黒く見えてきれいだと思ったことがなかった海が、青くてきれいだと。

黄色を指さして、これ見える?と聞いたら、見えるけど初めて見た色だからなんていう色なのかわからない、と言っていました。

見るもの全てが今までと違っていて。

私はひたすら良かったねえと言うだけでした。

 

遮光眼鏡がある生活

遮光眼鏡を着けた生活がスタートした長男ですが、やはり慣れるまでは試行錯誤が続きそうです。

夕暮れ時の室内だと、ミカンが消滅してしまうそうです。

その他、見えなくなるものが色々あると。

でも遮光眼鏡をつけたり外したりしているととても疲れるようで、やはり場面に合わせて追加で何本か作った方がいいかな、と話しているところです。

でも、もうちょっと慣れてから追加を購入したいと本人が言うので、まだ様子を見ているところです。

今、長男は好きなアニメを見直しているそうです。

好きなキャラクターの髪や服の色を初めて見たと。

今まで見た景色を遮光眼鏡をかけて見直したいそうです。

虹も見たことないので、虹が見られるのを楽しみにしています。

色んな楽しみなことがたくさんです。

遮光眼鏡のメーカーである東海光学さんと、丁寧に対応してくださった眼鏡屋さんに心から感謝したいです。