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発達障害、知的障害のことから日々の生活のことまで。

長男の二次障害

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fumikichi2525.hatenablog.com

 先日のこの記事では、長男に転換性障害の症状が出たことを書きました。

程度の差こそあれ、転換性障害はこれまで何度か長男を苦しめてきました。

長男には他にも二次障害(元々の困難さとは別の二次的な情緒や行動の問題)を抱えています。

 

解離性障害

解離とは、つらい体験を自分から切り離そうとするために起こる一種の防衛反応で、健康な人でも起こる事なのだそうです。

解離によって日常生活に支障をきたす様な状態を解離性障害と呼ぶのだそうです。

解離性障害は、発達障害知的障害を持っている人は割合として多く発症するのだとか。

普通の人より心のキャパが小さいので、解離しやすいのだそうです。

長男の場合は、記憶がすっぽりと抜け落ちる、体が一時的に動かなくなる、目が見えにくくなる、けいれん発作、振戦(体の震え)、意識がもうろうとする、意識がなくなるなど、様々な症状が出ています。

転換性障害解離性障害の一種なのだそうです。

精神的な症状として出るのが解離性障害、身体的な症状として出るのが転換性障害なのだとか。

どちらも根っこは同じ、ストレスの元から自分を守るために現れる症状です。

本人は、全く無意識です。

長男の場合は、ストレスの元が何かを特定することもできません。

本人の意識化では、そのことをストレスだと感じていないのです。

むしろ楽しみにしている事だったりする場合もあります。

例えば、長男が頑張っている水泳の試合の前や、学年末の時期など。

不安もあるけど、楽しみな事ってありますよね。

長男はその不安を不安だと自覚することができずに、無意識に体を動かなくしたり、記憶を消したりして、不安から自らを守っているのです。

恐らくは不安を自覚することができれば、これらの症状も出なくなるのではないかと思われます。

キーワードは言語化です。

知的障害発達障害をもつ長男は、自分の気持ちをうまく言葉にする事ができません。

なので、周囲の人が丁寧に彼の気持ちの動きを汲み取って、彼の心の奥の形にならない、自覚されることすらない不安を丁寧に本人に代わって言語化します。

気持ちを代弁するのですね。

難しいことだし、根気のいる作業でもあります。

これを支援者の皆さんのお力を借りながら、地道に繰り返しています。

 

退行

解離性障害の発作を起こした後、現在18歳の長男が言葉も喋れない幼児のようになってしまうことがあります。

知的障害者に時々みられる、退行という現象です。

赤ちゃん返りと言えばわかりやすいでしょうか。

退行も、健康な人にも現れるのだそうです。

追い詰められると子供のようにふてくされる人、たまにいますよね。

気を引くために無意識に子供っぽい行動をとったり。

そんなレベルなら笑ってやり過ごすこともできますが、長男の場合は、言葉もわからない幼児のような状態が、ひどい時は何週間も続きます。

そうなれば、すぐに入院して環境を変えます。

しばらくの間、様々なストレスから離れた生活を送ると、元の長男に戻ります。

退行していた間の記憶はありません。本人からすれば、タイムスリップをしたような感覚になるようです。

 

これまで、何度も。

私たち家族は長男の二次障害に苦しめられてきました。

今は主に上記の二つの症状しか出ていませんが、以前はもっと様々な症状が現れていました。

なぜ、こんなに次々に苦しい症状が出るんだろう。

長男ばかりが、なぜ。

何年も何年も、悩ましい日々が続きました。

障害は受け容れられます。工夫して、問題なく生活していくことができます。

でも、二次障害は。

いつもいつも、突然現れて、穏やかな生活を壊します。

何年たっても中々受け容れられず、治すことや症状を出さないようにすることばかりを考えていました。

でも、治らないんですよね。

治るものではないんです。付き合っていくしかない。

症状が出ないように、いくら私が本人の前からストレスになりそうなものをよけて回っても。

100%は無理なんです。

それならば、本人のやりたいことやらせてあげて、症状が出たら対応すればいいや、とやっと思えるようになりました。

この記事を書こうと思ったのも、受け容れることができたからだと思います。

これから長男が成長していくにつれ、二次障害も形を変えていくのだと思います。

何が来ても慌てないくらいには、私も鍛えられました。

二次障害を怖がらないで、長男が色んなことにチャレンジしていくのを見守っていきたいと思います。

 

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