フミログ

発達障害、知的障害のことから日々の生活のことまで。

クララが立った~転換性障害

スポンサードリンク

 

fumikichi2525.hatenablog.com

 8月の終わりに、我が家の長男は突然足が動かなくなって、車椅子生活になってしまいました。

入院して様々な検査を受けましたが、どこにも異常は見つからず。

原因は心因性ということで、治るかどうか全く見通しが立たない状態になりました。

それでも少しでもできることをしようと長男は入院先でリハビリを受けはじめ、私は学校や相談支援員さんに連絡して、面談の予約をいれました。

その矢先のことです。

なんといきなり長男が立ち上がって歩き始めました。

まあ、びっくり。

立てなくなってちょうど一か月が過ぎた頃でした。

突然立てなくなった長男は、これまた突然立って歩けるようになったのです。

 

アルプスの少女ハイジという物語に、足の不自由なクララという少女が登場します。

彼女は、身体機能的には何の問題もないのに、どうしても立って歩くことができません。

本人は歩きたいのに、どうしても歩くことができないのです。

長男は、彼女と同じなのだと医師から言われました。

クララは車椅子を蹴飛ばされたことがきっかけで突然立てるようになりました。

長男も、車椅子を蹴飛ばされるようなきっかけがあればよくなるよ、と言われました。

転換性障害という心因性の病気で、その中の失歩という状態だったのだそうです。

 

転換性障害とは。

様々なストレスや葛藤を、身体症状として経験(転換)する病気なのだそうです。

症状は様々で、腕や足の麻痺や、体の一部の感覚の喪失や、声が出なくなったり、目が見えにくくなったりすることもあるのだそうです。

発作もあるのだとか。

長男は以前、運動会の前に腕が肩より上に上がらなくなったことがありました。

その時も整形外科に通って検査やリハビリをしましたが、やはり原因はわからず、リハビリも効果が得られませんでした。

でも、運動会が終わったとたんに何事も無かったかのように元通り。

それも転換性障害の症状の一つだったのです。

 

前回は運動会というわかりやすいストレスがあったので、それが終われば元に戻るだろうと見通しが立てられました。

でも今回は、下半身麻痺という大きな症状を引き起こすほどのストレスは見当たりませんでした。

やはり、様々なストレスが積み重なって、知らないうちに彼のキャパがいっぱいになってしまったのだと思います。

どうすれば良いか、悩ましい日々でした。

私が長男の車椅子を蹴飛ばせば治るのならそうしますが、そんなことがあるはずもなく。

そんなある日、長男が入院先の病棟看護師に辛く当たられると電話してきました。

長い入院生活の疲れもあったのでしょう。

なだめたり励ましたりしながら何度か電話をする内に、激しく嗚咽しながら泣き出しました。

嫌なことをいっぱい思い出して辛い、というのでとりあえず頭を冷やすようになだめて、病棟スタッフを呼ぶように告げて電話を切りました。

しばらくして。

長男からまた電話がかかりました。

第一声が足が動いた、でした。

にわかには信じられず。

すると、写真を送ってきました。

確かに、全く力が入らなかったはずの足がまっすぐ伸びていました。

いきなり立つのは危ないから、病棟スタッフを呼んで見せるように告げて電話を切った後、長男はすぐにドクター立会いのもと、立って歩いたのだそうです。

クララが立った瞬間でした。

長男の車椅子を蹴飛ばしたのは誰でもない、長男自身だったのだと思います。

 

それから二日たった今日、歩行に問題はないということで車椅子を返却しました。

今週末には退院ということで話を進めています。

来週からは学校にもぼちぼちですが行くことになるかと。

また元気に好きな水泳や自転車を楽しむこともできそうです。

再発はあるかも知れません。

解離性障害として症状がでるかも知れません。

でも怖がらないで、若い今の毎日を楽しめることを大事にしてあげたいと思います。