療育手帳について
以前、きいろさんがこんな記事をまとめていらっしゃいました。
こちらはkukkanenさんの記事。療育手帳と精神障害者保健福祉手帳の違いについてまとめられています。
私も、私なりに療育手帳についてまとめてみようと思いました。
療育手帳とは。
知的障害のある人に対して、一貫した指導・相談を行ったり、各種の福祉サービスを受けやすくするための手帳です。
提供されるサービスは、障害程度によって異なります。
私が居住している自治体で配布される冊子を参考に、受けられるサービスを並べてみます。自治体によってサービス内容が違いますので、詳しくはお住まいの自治体の担当窓口にお問い合わせください。
障害者110番が利用できます。障害者の権利擁護にかかる相談の為の常設相談窓口を設置しているそうです。
知的障害者相談員に日常生活における相談ができます。
民生委員・児童委員に日常生活における相談ができます。
重度障害者医療費助成が受けられます。(重度のみ)
精神通院医療(自立支援医療)が受けられます。
後期高齢者医療制度が65歳以上75歳未満で受けられます。(重度のみ)
特別障害者手当が受給できます。(20歳以上で最重度か重度との重複障害のみ)
障害児福祉手当が受給できます。(最重度の児童のみ)
特別児童扶養手当が受給できます。(中度・重度)
心身障害者扶養共済制度に加入できます。
定められた日常生活用具の給付が受けられます。(頭部保護帽等)
徘徊知的障害者捜索システム事業でインターネット等を使って警察等関係機関と連携します。
在宅サービスが受けられます。事前に支給決定が必要です。
・居宅介護(ホームヘルプ)
・生活サポート(単身及び単身相当世帯)
・短期入所
・日中一時支援(日中預かり)
・放課後等デイサービス
・緊急一時介護(中度・重度)
・配食サービス(単身及び単身相当)
公営鉄道、JR、私鉄、航空各社で割引を受けられる場合があります。割引率等は各社によって違いますので詳しくは各社にお問い合わせください。
福祉タクシーの助成が受けられます。(重度で住民税非課税世帯のみ)
タクシー料金の割引が受けられます。
有料道路の割引が受けられます。(重度のみ)事前に登録が必要です。
移動支援が受けられます。(重度のみ)
行動援護が受けられます。事前に支給決定が必要です。
まごころ駐車場の利用証が受けられます。(重度のみ)
駐車禁止除外指定車標章の交付が受けられます。(重度のみ)
公営駐車場・公営駐輪場の利用料の減免が受けられる場合があります。利用時にお問い合わせください。
日常生活自立支援事業の対象になります。
成年後見制度利用支援が受けられます。
自動車運転免許取得の助成が受けられます。
各種就労に関する支援が受けられます。
・障害者就労支援センター等の利用
・就労移行支援
・ハローワークでの相談及び障害者枠での登録
・就職支度金の支給
・障害者職業能力開発校の利用
所得税、住民税の障害者控除が受けられます。
NHK放送受信料の減免が受けられます。細かく条件が設定されています。詳しくはお問い合わせください。
NTT電話番号案内が無料で受けられます。
携帯電話の基本使用料の割引を実施している場合があります。
動物園、植物園、公営体育館、公営プール、美術館、博物館等で利用料金の割引が受けられます。
映画館、各種イベントでも割引を実施している場合があります。窓口にお問い合わせください。
これらのサービスの中には、療育手帳が無くても受けられるものもあります。
在宅サービス等がそうですね。
無くてもサービスは受けられますが、手帳があることによって役所の担当者がこんなサービスがありますよ、とお勧めすることができるのです。
手帳がないと、誰がそのサービスの対象になるのか、役所では把握できないと思います。
手帳の存在は、そのものを見られることがない限り、他人に知られることはありません。
我が家の子供達は、二人とも療育手帳を持っています。
私は子供達に療育手帳は常に持ち歩いて、使うように言い聞かせています。
家族で出かける場合にも、手帳で割引できるかどうか窓口に問い合わせて、本人に提示させます。
積極的に使わないと、どんな場面で使えるのか本人達がわからないからです。
電車に乗る時。街で道がわからなくなった時。お店でポイントカードを作るために書類の記入が必要な時。物の買い方がわからない時。
長男はヘルプカードの様に手帳を見せて警察官や駅員さんや店員さんに助けを求めます。
地域の方に彼が知的障害者であることを知っていただく事にも繋がります。
ほんの少し助けてもらえれば、彼は普通の若者の様に生活を楽しむことができるのです。
次男はまだ療育手帳を持って日が浅いのでそこまでできませんが、これから練習していきます。
知的障害とは。
最近では発達障害に対する関心が高まっているようですが、知的障害に対する理解は中々進みません。
彼らが、自らの困難さを発信する術を持たないからだと思います。
彼らは、発達障害と同じく強いこだわりや感覚過敏等の特性を持っています。
彼らは、何故その様な特性で自らが苦しい思いをしているのか、分析することができません。
それどころか、苦しい、辛いという気持ちが何なのか、わからない人もいます。
人は何か困難で苦しい事があると、無意識にそれを分析し自分なりに理由付けをして折り合いを付けようとします。
仕方なかったよね、どうしようもなかったよね、あの人の言ってることおかしいよね、十分頑張ったよね、等。
彼らには、それができません。
上手くいかなかった事実だけを目の前に、改善策も逃げ道も見つからぬまま、駄目な自分を責め続けます。
全ては自分が至らないからだと。
感覚過敏があれば、それが何故起こるのか、理由もわからないまま耐え難い刺激に晒されます。
彼らがどれ程の混乱の中に居るのか、想像して頂ければと思います。
彼らが生きる世界は、わからない事、不思議な事でいっぱいです。
療育手帳はそんな彼らの世界を少しだけ拓き、外の世界との橋渡しをしてくれる道具だと思っています。
保護者はいつも、いつまでも、彼らに寄り添う事はできません。
保護者に代わって終生彼らに寄り添い、見守ってくれるのが療育手帳制度なのだと思います。
手帳を使ってほんの少し助けていただければ、彼らの多くは、人生を楽しむ事のできる力を持っています。
彼らも人間です。
人として生きる権利があるのです。
ご理解頂いて、見守って頂ければと思います。
発達障害の次男を支援学級へ一年間託して思うこと
嫉妬って本当にあるの?悩ましき発達障害者
先日、何気ない朝の雑談として、Twitterに以下の内容のツイートをしました。
あんまり考えたくなかったから意識しないようにしてたんですが、どうも旦那は私と張り合おうとしているような気が。
何を、がわからないんですが。
今までの人生で立ちふさがって来たそういう人達が出す空気を何故か旦那から感じる。
今まで生きてきた中で、やたら私に意地悪してくる人が男女問わず居まして。
だいたい人生のどんなステージにもそういう人が現れてるんですね。
んで、他の人達がこっそりライバル視されてるから関わらない方がいいよ、と教えてくれます。
このパターンが何度もありまして。
私自身は全く意味不明で、ただいじめられてるとしか思えない。
ライバル視されてるって言われるから何を?と聞いたらうーん…と眼をふせる。
ただ、他の人とは違う空気は感じるんです。
嫌われてるんだと思ってたけど、そういう訳ではないんだよ、と言われる。
そういう人達のプライドを刺激してしまう何かが私にあるんでしょうね…
全くわからないんですが。
発達障害が関係してるのかな…
そんな空気を最近旦那から感じるんですよね。
多分、かなり前からあったけど、気づいたのが最近。
私が悪いんだと思います。
でも、これ。
本当に何だかわからないんですよね。
言い方が悪いとか言ってることが悪いとか、そういう訳でもないらしいんですよね。
しかも、本当に特定の人のみ。
集団でやられる訳ではなくて、それ以外の人は気の毒そうに私にアドバイスしてくれるんですよね。
何なのかなあ。
近年は人との関わりを極端に削ったので、そんな悩みとも無縁だったのですが。
ここに来てまさかの旦那からの火花。
しんどいんですが。
学生時代に私をライバル視してたらしい彼女は未だに年賀状を送ってくれています。
これに対して、いくつかレスポンスがありました。
内容としては、あるある~というものが多かったのですが、私が驚いたのが、皆さん、これがどういうことなのかをわかっていらっしゃる、という事でした。
私はその時々でライバル視されてるよ、と親切に教えていただいても、何に対してライバル視されているのかわかりませんでした。
聞いても、相手は言葉を濁すだけです。
でも、上記のツイートを読んでくださった皆さんは、何だかわかっていらっしゃるみたいなんですよね。
私としては、それが一番衝撃でした。
何で私だけわからないんでしょう?
リプライの内容も、私にはよくわからない内容のものもありましたが、他の方はわかっていらっしゃるみたいなんですね。
嫉妬、というものらしいです。
Google先生に嫉妬とは何か聞いてみました。
1 自分よりすぐれている人をねたみうらやむこと。
2 自分の愛する者の愛情が、他の人に向けられるのを妬み憎むこと。やきもち。悋気。
フィクションの世界では、よく題材に使われる感情の動きですね。
私は、こういったことが現実に、しかも日常的にあるのだということを、この時まで知りませんでした。
私には、自閉性の特性があります。濃いものではありませんが。
形のないものは、よくわかりません。
フォロワーさん達がよくある例として教えてくださったのが、女子3人グループの例です。
3人のうち、一人に恋愛に似た感情を抱いてしまい、彼女に振り向いてほしくて、自分が彼女の一番になりたくてやたらとちょっかいを出す、というものでした。
衝撃でした。これって、恋愛ですよね?女子同士で、しかも仲良い女子同士で、嫉妬?
何とこれが、よくあることらしいのです。しかも、年齢関係無く。
そんなことが繰り広げられていようとは。
とてもじゃありませんが、私のキャパではそんな人間関係まで把握して処理する事は不可能だと思います。ただでさえシングルタスクで、毎日のルーティンワークでいっぱいいっぱいです。
だからでしょうか?私の周囲に居た人たちは皆、多くを語らず、あなたが悪いわけではないから、少し距離をとった方がいいよ、と親切にアドバイスしてくれました。
人間関係とは恐ろしいです。
自分より優れた人に憧れるのはわかります。
でも、その人を攻撃対象にする、というのは理解できません。
ましてや、私がいじめられた人達は、記憶にある限りでは私より優秀な方達でした。そんな人達からそんな感情を抱かれていようとは。
想像もつきません。
恐らくですが、これを理解するには相当の学習が必要なのではないかと思います。私自身はそういった人間関係が発生するような状況に今現在ありませんので、学習するつもりはありません。
ですが、自閉性の特性をもったお子さんで、ひょっとしたら私のようにこういったことが理解できずに壁にぶつかってしまうお子さんがいらっしゃるのではないかと思うのです。
私がよくわからないものを、改めて考えてみました。
フォロワーさんから教えていただいた、声をかけずとも人が集まる人、カリスマ性のある人というのは、結局よくわかりませんでした。容姿が良い、とか歌が上手い、とかではないのですよね?
あと、昔からよくわからないのが頭が良い人、という表現です。
成績が良い人、という訳ではないのですよね?
胃が悪い人、とか足が早い人、ならわかるのですが、頭が良い人とは?
周りの人に聞いてみたのですが、答えがバラバラでした。不確定要素の大きい言葉なのですね。
例えば、風が歌う、とか水がすべる、といった非現実的な抽象表現ならばわかるのです。映像が頭に浮かびます。
どうやら、私がわからないのは人に対する抽象的な表現だけのようなんですね。
どうやって学習するかと考えると、やはり物語の中からそういった感情を読み取って、誰かに解説してもらうこと位しか思い付きません。
私は、発達障害なので、能力的に激しい凸凹があります。空気を読むということは、私の凸の部分の能力です。
私は、空気を読みすぎてしまうのです。過剰適応ですね。空気を読みすぎて、人にあわせ過ぎて疲弊してしまうのです。
だから、何となくおかしな空気をだけは読み取ってしまうのですが、それが何かは残念ながら理解することができないのです。
改めて、定型の皆さんはすごいなあと思います。そんなことまで考えて、人との距離感を測っているのですね。
しかも、あまり考えることなく自然にそういった事が感じ取れているように思いました。
私はこの際だから面白がって、自分の自閉性の特性を探ってみようかと思っています。
自分の持っているADHD特性はわかっているつもりですが、自閉性の特性についてはあまり考えた事はありませんので。
また何か発見したら、まとめてみようかと思っています。
最後になりましたが、親切に教えてくださったフォロワーの皆さん、ありがとうございましたm(__)m