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こだわりとの戦い〜お弁当編

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独身で会社勤めをしていた頃は、毎朝お弁当を作って通勤していました。

お昼に質素なお弁当をつつく私に、年配の男性の同僚達は弁当がいいなあ、自分も弁当が食べたいなあと。
大した弁当じゃないし、お金がないから作ってるだけだという私に、彼等は弁当が一番いいと。
彼等曰く、自前の弁当の良い所は考えなくて良いことだと。
忙しい仕事の合間の昼休憩、何を食べようか考えるのは正直な所、煩わしいです。
自前のお弁当だと考える必要はないですよね。
もう一つは、自作弁当だと飽きないと。
出前をとるのもお弁当を頼むのもコンビニも、すぐに飽きてしまいます。
食べに出る程の時間も気力もありません。
新人社員に課せられた大事な仕事の一つに、美味しい出前の店をみつけてくることというのがある位に、皆毎日の昼食に飽きていました。
あとは食べやすさ。
仕事が忙しいと、昼休憩をきちんととれないことがあります。
自前の弁当なら、好きなもの、食べやすいものを詰めておけば、飽きる事もなく、時間がなくてもさっと広げて食べる事ができます。
彼等の話を聞きながら、弁当というものは
①時間がなくても仕事の事で頭が一杯でも食欲がなくても、仕事しながらでも食べられる食べやすさ。
②食べれば美味しいとわかっているいつもの味の安心感。
この二つが大事なんだな、というのがわかりました。
 
時は流れて。
現在の私はほぼ毎日、家族の誰かの為にお弁当を作っています。
発達障害特性を持つ我が家の家族、お弁当も何でもいいわけではないようです。
 
まずは発達障害特性上、強いこだわりを持つ旦那。
なんかイヤ、という五文字のクレームを訴えられ、何が嫌なの?と聞くと応えられないという、禅問答の様なやり取りを繰り返しました。
こだわりからの不快感なので、本人にも何が嫌なのかよくわからないのです。
長年のバトルの末に出た結論は。
①お弁当箱は二段重ねではなく、全体が見通せて手に持って食べやすい一段のもので。
②おかずは卵焼きとウインナーの他二品、計四品以上入れない事。
③ご飯は多めに。
④一目見て味が想像できないものは入れない。
⑤残り物のおかずは入れない。
この条件を満たせば、クレームが出ない事がわかりました。
卵焼きは手作り、ウインナーは彼の好みのものを入れておけば、あとはチンするだけの冷凍食品でもOKです。
長い事私は、旦那のこだわりはおかずにあるのだと思っていました。
手のこんだおかずを詰めることを望まれているのだと勝手に思っていたのです。
そうではなくて、旦那はお弁当箱のフタを開ける前から何が入ってるか想像できる、つまり見通しが立てられる安心感が欲しかったのです。
その事に気が付いて、上記の条件を満たしたものを詰めるようにすると、文句を言わなくなりました。
何だ、簡単だったんじゃない、と力が抜ける様な思いでした。

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長男の場合は量とご飯の温度でした。
長男は少食なのに、こだわりからのこすのを嫌がり、無理に完食しようとします。
でも、彼の要望通りだと、本当に小さなお弁当箱になってしまいます。
痩せた長男はしっかり食べなければ体力が保ちません。
どうすれば食べられるか色々試行錯誤の結果、彼の場合はランチジャーの温かいご飯で、おかず多めのご飯少なめにすればある程度の量が食べられる事がわかりました。

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次男は旦那と同じ特性を持っていて、お弁当箱が分かれていると食べにくいようで、一段のお弁当箱にすれば食べやすいとの事でした。
全体が視野の中に収まり、見通せる事が彼にとっても大事な事であるようです。 
味覚に過敏がある次男はご飯にふりかけなどがかかってないことも大事でした。

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TwitterのTLで、また保護者同士の雑談の中で、お弁当が大変だという話をたまに聞きます。
お弁当に求めるものは、その人の性格やこだわりや好みで違ってくると思います。
凝ったお弁当でなくても、実はこういうものを作って欲しかったんだというツボがわかって、シンプルに考えられれば少しはハードルが下がるのではないかと思います。
 
一番しんどいのは、前日、明日の朝早起きして作らければいけないというプレッシャーなのではないでしょうか。
私はそうです。
自分で自分のハードルを上げてしまうのですよね。
でも、食べる方は難しいことは何も考えずにお弁当を広げているのだと思います。
作る方も難しく考えずに取り組めると楽になるのではないかと思うのですが。
 
しょうもないお弁当画像を晒していますが、私が作っているのはこんな感じの、全然力が入ってないものです。
作る時間はだいたい20分くらい。
この食べやすさが、彼らには好評です。
私のお弁当画像で、勇気が出る方が一人でもいらっしゃれば幸いに存じます。
今は便利な食材がたくさん売られています。
冷凍やレトルトも賢く使って、気軽にお弁当作りにチャレンジされてはいかがかなと思います。
 
最後になりますが、試合を家族で見に行った時のお弁当の写真も、恥をしのんで置いておきますね。
運動会弁当とは少し違いますが、こんなレベルなんだと皆さんが元気になってくだされば良いなと思います。

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