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次男の高等支援学校進学に向けてとりくんだこと

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今年、次男は中学の特別支援学級から高等支援学校を受検して合格しました。

高等支援学校とは、軽度知的障害児向けの、受検(受験ではありません)のある、高等部だけの特別支援学校です。

主に一般就労を目指して、厳しい訓練がされることが特徴です。

高等支援学校、高等特別支援学校と呼ばれることが多いようです。

四月から通い始めて四か月が過ぎ、学校にも慣れて楽しい高校生活が送られているようです。

先日、次男の受検についてお話してみないか、とのお誘いを受けたので、改めて高等支援学校への進学に必要な課題はなんだろうか、と考えてみました。

 

自己理解

受検にしろ就労にしろ、一番大事なことはやはりこれだと思います。

受検の面接でも重要視される項目のようです。

自分のできることとできないことを把握して、それを言葉にして他者に伝えることができるかどうかということですね。

そのままではできないことでも、何らかのサポートがあればできることがある場合、それを伝えることもとても大事です。

それも、本人が把握してなければ伝えることなどできるはずがありませんよね。

障害者就労の場合、まず、本人に対してどのような仕事を任せればよいかがわからない場合が多いのだとか。

一般就労の場合は、ジョブコーチなどを除けば、保護者や支援者が雇用主側と顔を合わせることはほとんどないのだそうです。

本人が自分の障害特性を把握し、できることとできないことを雇用主に伝え、必要な配慮を受けるための交渉する力を持っておくことが大事だと思います。

 

体力

これもとても大事です。

一般就労の場合、毎日朝から夕方まで働かなくてはなりません。

体力が無くては、仕事が続かないのです。

障害者就労では、体力勝負の求人が多いのだそうで。

病院のリネン、ファミリーレストランのパン製造、食品加工、清掃、厨房での食器洗浄など、ずっと立ちっぱなしの仕事ばかりです。

次男が通っている高等支援学校も、とてもハードなカリキュラムが組まれていますが、そのくらいは耐えられないと、障害者就労は難しいのだそうです。

将来、障害者就労をする可能性があるのでしたら、是非早いうちから体力作りを意識してほしいと思います。

これだけは、一朝一夕でできることではありませんから。

 

fumikichi2525.hatenablog.com

 

公共交通機関に慣れておくこと

寄宿舎のない高等支援学校ならば、自力で通学しなければなりません。

入学後、現場実習が決まれば、単独で実習先へ通うことにもなります。

交通機関に慣れていなければ、その都度保護者が付き添って通勤、通学の練習をしなければなりません。

学校は移動の練習まではさせてくれないようです。

一人で公共交通機関が利用できるかは、面接時にも確認されました。

 

挨拶

挨拶については、かなり早い段階から家庭内で意識してするようにしてきました。

まずは旦那に、子供から物をとってもらった時などに必ずありがとうと言うように徹底してもらいました。

それから、おはよう、おやすみ、ただいま、おかえり、などをきちんと聞こえるように言うように、夫婦間で意識してきました。

挨拶については、子供に挨拶しなさいと促すより、保護者が日頃からさりげなくお手本を見せた方が良いように思います。

 

作文の練習

高等支援学校の受検では、作文や面接でどれだけ意欲を見せられるかが大事になってくるように思います。

我が家の次男は作文がとても苦手でしたので、文章力を上げるために毎日日記を書きました。

最初は一行日記から。

初めのうちは毎日書くことだけが目標です。

行数が増えてきたら、50字に。

それもクリアできるようになったら、100字にします。

スモールステップで増やしていくことを忘れずに。

 

忘れ物対策

これはとにかく構造化するしかないと思います。

我が家では持ち物リストを作って、毎朝指差し確認をしてから登校するようにしています。

メモをとることを習慣づけることも大事ですね。

 

本人の意思による進路選択

入学後のトラブルで比較的多いのが、思っていたのと違っていた、というものなのだそうです。

進路は自分の意志で決めて欲しいと思います。

保護者がするのは、判断するための材料集めですね。

学校見学などを繰り返し、十分に判断材料をそろえてあげて欲しいと思います。

複数の選択肢を用意して、それぞれにメリットとデメリットを伝えて、本人の意思で選ばせて欲しいです。

我が家では、進路だけでなく、日頃から色んなことをこのやり方で本人に決めさせています。

 

 

受検とは直接関係ありませんが、信頼できる専門家と繋がっておくことも大事なことだと思います。

継続して相談できる専門家と、定期的に面談できる環境が望ましいかと思います。

発達障害者支援センターや医療などを上手に利用できるとよいですね。

思春期前に繋がっておくことが理想だと思います。

それと、サードプレイスが獲得できているといいかなと思います。

学校、家庭以外の第三の居場所ですね。

塾でもデイサービスでもスポーツセンターでも図書館でも、本人が落ち着いて居場所だと思える所ならどこでも構いません。

親や学校の先生からの干渉があまりない所で、積極的に関わってくれる大人が居ることが望ましいと思います。

 

中三になって受検に向けて家庭で何かしたかと言われると、何もしていません。

上記のことは、小学生の頃から受検など意識せずに取り組んできたことで、振り返れば受検に役立ったな、と思うことです。

なので、上記のことができていなくても、ご家庭で常日頃から意識して取り組んでいることがあるのであれば、それでいいのかもしれません。

正解か不正解かではなく、親子で一歩ずつ、でも確実に歩んできたその道のりこそが、大事なのだと思うからです。

受検でも、見られるのはやはりそういった本質的な部分なのではないかなと思います。

満足のいく選択と、楽しい高校生活をお子さんが得られることをお祈りしております。

 

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