フミログ

発達障害、知的障害のことから日々の生活のことまで。

次男の高等支援学校進学に向けてとりくんだこと

今年、次男は中学の特別支援学級から高等支援学校を受検して合格しました。

高等支援学校とは、軽度知的障害児向けの、受検(受験ではありません)のある、高等部だけの特別支援学校です。

主に一般就労を目指して、厳しい訓練がされることが特徴です。

高等支援学校、高等特別支援学校と呼ばれることが多いようです。

四月から通い始めて四か月が過ぎ、学校にも慣れて楽しい高校生活が送られているようです。

先日、次男の受検についてお話してみないか、とのお誘いを受けたので、改めて高等支援学校への進学に必要な課題はなんだろうか、と考えてみました。

 

自己理解

受検にしろ就労にしろ、一番大事なことはやはりこれだと思います。

受検の面接でも重要視される項目のようです。

自分のできることとできないことを把握して、それを言葉にして他者に伝えることができるかどうかということですね。

そのままではできないことでも、何らかのサポートがあればできることがある場合、それを伝えることもとても大事です。

それも、本人が把握してなければ伝えることなどできるはずがありませんよね。

障害者就労の場合、まず、本人に対してどのような仕事を任せればよいかがわからない場合が多いのだとか。

一般就労の場合は、ジョブコーチなどを除けば、保護者や支援者が雇用主側と顔を合わせることはほとんどないのだそうです。

本人が自分の障害特性を把握し、できることとできないことを雇用主に伝え、必要な配慮を受けるための交渉する力を持っておくことが大事だと思います。

 

体力

これもとても大事です。

一般就労の場合、毎日朝から夕方まで働かなくてはなりません。

体力が無くては、仕事が続かないのです。

障害者就労では、体力勝負の求人が多いのだそうで。

病院のリネン、ファミリーレストランのパン製造、食品加工、清掃、厨房での食器洗浄など、ずっと立ちっぱなしの仕事ばかりです。

次男が通っている高等支援学校も、とてもハードなカリキュラムが組まれていますが、そのくらいは耐えられないと、障害者就労は難しいのだそうです。

将来、障害者就労をする可能性があるのでしたら、是非早いうちから体力作りを意識してほしいと思います。

これだけは、一朝一夕でできることではありませんから。

 

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公共交通機関に慣れておくこと

寄宿舎のない高等支援学校ならば、自力で通学しなければなりません。

入学後、現場実習が決まれば、単独で実習先へ通うことにもなります。

交通機関に慣れていなければ、その都度保護者が付き添って通勤、通学の練習をしなければなりません。

学校は移動の練習まではさせてくれないようです。

一人で公共交通機関が利用できるかは、面接時にも確認されました。

 

挨拶

挨拶については、かなり早い段階から家庭内で意識してするようにしてきました。

まずは旦那に、子供から物をとってもらった時などに必ずありがとうと言うように徹底してもらいました。

それから、おはよう、おやすみ、ただいま、おかえり、などをきちんと聞こえるように言うように、夫婦間で意識してきました。

挨拶については、子供に挨拶しなさいと促すより、保護者が日頃からさりげなくお手本を見せた方が良いように思います。

 

作文の練習

高等支援学校の受検では、作文や面接でどれだけ意欲を見せられるかが大事になってくるように思います。

我が家の次男は作文がとても苦手でしたので、文章力を上げるために毎日日記を書きました。

最初は一行日記から。

初めのうちは毎日書くことだけが目標です。

行数が増えてきたら、50字に。

それもクリアできるようになったら、100字にします。

スモールステップで増やしていくことを忘れずに。

 

忘れ物対策

これはとにかく構造化するしかないと思います。

我が家では持ち物リストを作って、毎朝指差し確認をしてから登校するようにしています。

メモをとることを習慣づけることも大事ですね。

 

本人の意思による進路選択

入学後のトラブルで比較的多いのが、思っていたのと違っていた、というものなのだそうです。

進路は自分の意志で決めて欲しいと思います。

保護者がするのは、判断するための材料集めですね。

学校見学などを繰り返し、十分に判断材料をそろえてあげて欲しいと思います。

複数の選択肢を用意して、それぞれにメリットとデメリットを伝えて、本人の意思で選ばせて欲しいです。

我が家では、進路だけでなく、日頃から色んなことをこのやり方で本人に決めさせています。

 

 

受検とは直接関係ありませんが、信頼できる専門家と繋がっておくことも大事なことだと思います。

継続して相談できる専門家と、定期的に面談できる環境が望ましいかと思います。

発達障害者支援センターや医療などを上手に利用できるとよいですね。

思春期前に繋がっておくことが理想だと思います。

それと、サードプレイスが獲得できているといいかなと思います。

学校、家庭以外の第三の居場所ですね。

塾でもデイサービスでもスポーツセンターでも図書館でも、本人が落ち着いて居場所だと思える所ならどこでも構いません。

親や学校の先生からの干渉があまりない所で、積極的に関わってくれる大人が居ることが望ましいと思います。

 

中三になって受検に向けて家庭で何かしたかと言われると、何もしていません。

上記のことは、小学生の頃から受検など意識せずに取り組んできたことで、振り返れば受検に役立ったな、と思うことです。

なので、上記のことができていなくても、ご家庭で常日頃から意識して取り組んでいることがあるのであれば、それでいいのかもしれません。

正解か不正解かではなく、親子で一歩ずつ、でも確実に歩んできたその道のりこそが、大事なのだと思うからです。

受検でも、見られるのはやはりそういった本質的な部分なのではないかなと思います。

満足のいく選択と、楽しい高校生活をお子さんが得られることをお祈りしております。

 

15歳までに始めたい! 発達障害の子のライフスキル・トレーニング (健康ライブラリー)

15歳までに始めたい! 発達障害の子のライフスキル・トレーニング (健康ライブラリー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インドア派でも体力作りにチャレンジしよう!発達障害児の簡単トレーニング

毎日暑いですね。

夏休みも中盤ですが、こう暑い日ばかりでは、つい室内に閉じこもりきりになってしまいます。

せっかくの夏休みなので、体力作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

スポーツを頑張る我が家の兄弟と長男の解離性障害

我が家には、二人の男子が居ます。

長男19歳、知的障害、発達障害色覚異常をもっています。

 

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次男15歳、境界知能で発達障害があります。

長男は水泳を、次男は卓球を、それぞれ市の障害者スポーツセンターに通いながら頑張っています。

 

長男は解離性障害という重い二次障害を患っていて、年に二回程一か月単位の入院を繰り返しています。

 

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 入院を繰り返し、学校にもなかなか通えない日が続きました。

半年間不登校だったこともあるし、通常の登校でも週に半分くらいしか行けていませんでした。

そんな中で長男は水泳を続け、障害者の全国大会にもチャレンジしてきました。

入院や不登校を繰り返しながら、どうやって大きな大会にもチャレンジできる体力を維持してきたのか。

もし体力がないインドア派の発達障害のお子さんに体力作りをお勧めするとしたら、どのようなメニューがよいか。

長男に聞いてみました。

 

長男の体力作り

長男が入院する精神科病棟は、基本的に病棟内を出ることができません。

散歩はもちろん、売店にも自由に行くことはできません。

病棟に鍵がかかっているので、病院内を歩き回ることもできません。

なので、退院直後は極端な運動不足になっています。

そんな時に、リハビリ的な意味合いでいつもやっていることがあります。

20分くらいのウォーキングです。

距離にして3㎞くらいを20分程度で歩きます。

早歩き、くらいのペースですね。

近所の浜辺の景色を眺めながら、少々の雨くらいなら休まず毎日歩きます。

https://www.instagram.com/p/BXOVMfqFEWN/

きれいな色。

ウォーキングに慣れている方なら、20分は少ないのでは?と思われるかもしれません。

でも、体力がない状態なら、このくらいから始めるのが良いのだそうです。

徐々に体力が戻ってきたら、少しずつ距離を伸ばしてみたり、ウォークにランやジョグを織り交ぜたりしていきます。

少しずつステップアップしていく、いわゆるスモールステップですね。

 

ウォーキングの他にもう一つやっていること、それは5分程度のストレッチです。

これも毎日欠かさず続けます。

そして、無理をせず、5分ほどでやめるようにします。

 

20分間のウォーキングと5分間のストレッチ。

たったこれだけのことですが、とにかく毎日欠かさず続けます。

そして頃合い(だいたい2週間くらいでしょうか)を見て、スモールステップでトレーニングの強度を上げていきます。

最初のステップを終えたあたりから、時々プールにも入って泳ぎの勘を思い出します。

その時の体調にもよりますが、だいたい二か月前後で元の体力に戻るようです。

 

インドア派の発達障害児におすすめの室内トレーニング

毎日地道なトレーニングを続けている長男に、体力に自信のない、インドア派の発達障害児にトレーニングをすすめるとしたら、どんなものが良いと思う?と聞いてみました。

最初に彼が言ったのが、この腹筋運動です。

 

呼吸を意識しながらかなりゆっくりしたペースでします。

頭を床につけません。

さすがにこれは難易度高いと思うよ...と言ったら、バランスボールチューブを使ったトレーニングがいいかも、と言いました。

バランスボールとは、大小さまざまな大きさや形の、樹脂製のボールです。

そのボールに乗るなどして、体幹を鍛えるトレーニングが手軽にできるのだそうです。

椅子代わりにその上に座るだけでもトレーニングになるのだとか。

 

 多動傾向のあるお子さんが落ち着くための好ましい刺激として、バランスボールを使うこともよくありますよね。

我が家のADHDである次男も愛用しています。

 

チューブとは、トレーニング用の樹脂で作られた紐です。

 

 私が使っているのは、女性用の柔らかいものです。

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 これをエキスパンダーのように両手で伸ばしたり、ボート漕ぎ運動をしたり、足にかけてウエイトリフティングのようなもちあげる運動をしてみたり。

どこかにひっかけて引っ張れば、肩や腕のトレーニングが簡単にできます。

工夫次第で様々な運動ができるのです。

多くのアスリートが取り入れているトレーニングです。

お子さんの場合は、型にはまらず、好きなように引っ張るだけでも良いかと思います。

多動傾向のあるお子さんには、引っ張るだけでバランスボールと同じ様な落ち着く効果が期待できると思います。

 

もう一つ長男のおすすめなのが、踏み台昇降です。

これは踏み台や階段などを上がったり下りたりする運動なのですが、長男は両手を壁につけた状態でやると良いと言っていました。

そうすることで運動効果もあがるし、何より集中力のないお子さんが途中で飽きて他のものに目がいって中断してしまうのを防ぐことができるのだと。

長男自身、両手をぶらぶらさせていると、後ろが気になって振り返ったりして、運動に集中できないのだそうです。

踏み台昇降も、スモールステップでやって欲しいと。

最初は5~10回くらいから始めてもいいと思うと言っていました。

慣れてきたら少しずつ回数を増やすといいですね。

 

エクササイズステップ台 チョコレート

エクササイズステップ台 チョコレート

 

 

 

スモールステップと無理をしないこと

長男が繰り返し言っていたのが、とにかく無理をしないこと、でした。

本人のペースに合わせて楽しくできることが、継続への一番の近道だと思います。

トークなどのポイント制を取り入れるなどして、夏休みを利用して、スモールステップで楽しく体力作りに取り組んでみられると良いかなと思います。

 

 

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鬱の波で遊ぶ

去年の秋頃から体調を崩し、記事を書くことから遠ざかっていました。

私には、双極性障害の診断があります。

これまでも鬱を繰り返してきましたが、今回の鬱の波は中々に手強かったです。

普段から鬱にならないように、少し神経質なくらいに気を付けているのですが。

それでも、繰り返してしまう。

仕方ないですよね。

こういうものだと思って付き合っていくしかないです。

 

開き直るしかないのはわかっていても、やっぱり悪あがきはしたいです。

鬱にならないようにするにはどうすればいいか。

私の鬱は疲弊型だと主治医が言っていました。

心身共に疲れをためないこと。

疲れたなと思ったら、回復するまで休むこと。

コンサータという薬は、時に疲れの自覚を鈍くしてしまう様に思います。

上手に休薬しながら、お薬を使いこなしていきたいです。

それと、適度な運動を続けること。

以前はウォーキングを日課にしていたのですが、体調不良が続いていつの間にか遠ざかってしまいました。

ウォーキングすると、とても気分が良くなります。

睡眠など、生活習慣も良質なものにしてくれます。

ウォーキングだけは頑張りたいなと思っています。

あともう一つ、訪問看護の先生から与えられたテーマなのですが。

自分のせいにしないこと。

家族が不調になったり、家事がさばけなかったり。

家庭内で起こる日々のトラブルを、私は自分に落ち度があったせいではないのか、と考えてしまう癖があるようなのです。

それをやめるようにと。

家族の不調は、私の健康管理が至らなかったせいではない。

家事がさばけないのは私がダメだからではなく、たまたまその日がそんな日だっただけ。

一つ一つ、考え方の癖を拾って置き換えます。

心の荷物を軽くする作業ですね。

苦手だけど、今の私には大事な課題です。

 

あまり気負いすぎるのも良くないので、このくらいを自分への宿題にしています。

鬱を繰り返すのは、仕方ないのだと思います。

病気なのだから。

ならば、病気とどの様に付き合っていけば良いか。

ゆっくり構えて、鬱の波が来てもさらわれないように。

波打ち際で笑って遊べるくらいの余裕が持てると良いなと思います。
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また、仕切り直し。

新たな気分で、日々の生活を楽しみたいと思います。

 

ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック

ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック

 

 

ADHDはふてくされさせないようにしてほしい

これは私が何度もつぶやいているツイートです。

これに対して、ふてくされているというのがよくわからない、とか、ふてくされさせないとはどうすることなのかというコメントをいただきました。

ふてくされるというのは。

一般的には、不平不満があって、投げやりだったり反抗的だったりすることをいいますね。

では、ADHD特性を持っている人がふてくされたらどうなるでしょうか。

 

私自身もADHDです。大人になってから診断されました。

子供の頃から、怒られてばかりでした。

毎日忘れ物をする。授業に集中できずに勝手におしゃべりしたり、突然発言したり。

ぼーっとしているうちに授業がどんどん進んで、周りが作業に取り掛かっても何をするのかわからなかったり。

通知表にはいつも、落ち着きがありませんと書かれました。

 

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 大人になってからも、怒られる日々は続きました。

私自身は一生懸命やっているだけなんですよね。

怠けているつもりなんかもちろんないし、何事にも全力投球。真剣にやっています。

でも、どうしても皆が当たり前にできることができませんでした。

自分に障害があるなんて思いもしなかったので、自分の頑張りが足りないんだとしか思いません。

できなくて、怒られて。だんだん、悩むことも面倒になってきます。

考えても同じ。できないことはどうしてもできない。

どうせできない。考えるのも疲れた。私が怒られれば済むこと。私が駄目だからできないんだ。

どうせ、できないし、誰も助けてなんかくれない。私のことなんかわかってくれる人はどこにもいない。

皆簡単に何でもできていいね。私はどうせ頑張ってもできないし。私の気持ちなんてわからないよね。

全部私が悪いんだよね。

ふてくされたADHDのできあがりです。

こうなると、あとは考えることもしなくなります。

特性からの思い込みの激しさと切り替えの悪さで、自ら蓋を閉じてしまいます。

親切なアドバイスをしてくださる方がいても、馬鹿にされてるからこんなこと言われるんだ、皆、私のいないところで私のことを笑ってるに決まってる、としか思えませんでした。

そんなわけないんですよね。仮に現実にそんなことがあったとしても、自分に関わってくるすべての人が自分を馬鹿にしているなんてありえません。一握りの人だけです。

でも、生来の思い込みの激しさから、頑なにそう思い込んでしまって、自分の中に閉じこもってしまいました。

そう。コミュニケーションもまともに取れなくなるのです。

相手は自分を馬鹿にしてると思い込んでいるので、何を言われても信じられません。

きちんと話を聞くこともできなくなっていました。

さらに思い込みが激しくなると。

自分は一生懸命やっている→間違ったことをしているわけではない→自分は間違っていない→理解しない周りが悪い、という何とも極端で攻撃的な考え方になってしまうケースもあるようなのです。

ここまで歪んだ考え方になってしまうと、修正するのはとても難しいです。

私が思いつく限りでは、誰かに頼んで丁寧に信頼関係を築き、人を信じる気持ちを取り戻し、自らを客観的にみて、歪みに自分で気づいて修正していく、といったところでしょうか。

書くのは簡単ですが、実際にやるのは途方もない時間と労力が必要な作業であることが想像できます。

それに、こんなことをやってくれる人には中々出会えないと思うのです。

専門家に頼れれば一番いいと思うのですが、長いスパンで専門的に見てくれる専門家とはなかなか出会えません。

だから。

こうならないように。

ふてくされさせないでほしいと思うのです。

 

どうしたらふてくされてしまうのか。

追い詰められてしまうことですよね。

長いこと怒られすぎたことも一つの原因だと思います。

成功体験が極端に少ないということも。

もう一つ思い当たるのは。

孤独であるということです。

心を許すという経験は、信頼できる相手がいなければできません。

不器用で失敗経験の多いADHD当事者の中には、信頼して心を許せる相手に出会えなかったり、信頼とか心を許すということ自体がどういうことなのかわからない人もいるのではないかと思うのです。

一人で思い詰めて、自らを追い込んで。なぜうまくいかないのかという、出ない答えをふてくされることにおきかえて。

どんどん孤独になっていくのだと思うのです。

 

ふてくされたADHDをつくらないために。

まず当事者は、どうせ無理だし、どうせできないし、という考え方をしないでほしいと思うのです。

できないことはできません。でも、できることなら、できます。

できないことでも、工夫すればできることもあります。

めんどくさがりADHDさんだけど、できることさがしと、できるようにするための工夫をすることは頑張ってほしいなあと思うのです。

それと、できなければ人を頼るということもとても大事なことだと思います。

人を頼ることは難しいです。私も中々できないので、支援者や友人たちの力を借りて練習中です。

人を頼ってもいいんだということがわかって、頼り方もだんだんわかってきて、楽な気持になりました。

ADHD当事者の周囲の人は。

追い詰めないでほしいのです。必ず、逃げ道を用意してあげてください。

逃げ道がなければ、ふてくされることに逃げてしまいます。それが簡単なので。

追い詰められさえしなければ、ふてくされることもなくなっていくように思います。

当事者が自分自身を追い詰めないことも大事ですね。

それと、関係ないように思えるかも知れませんが。

ADHD当事者が何か好きなこと、得意なことに取り組めているかも大事だと思うのです。

好きなことがやれていれば、少々凹むことがあっても、まいっか、私は好きなことをやれてるから、とさっと切り替えられるようになれるみたいなんです。

自分を嫌わないで済むんですね。

 

ADHDがふてくされることの何が一番怖いかといえば。

当事者が孤独になってしまうことだと思うのです。

周囲からも自分自身からもどんどん追い詰められて、逃げ道を失って。

そんな悲しい人をつくらないために。

ADHDはふてくされさせないこと、というのを覚えておいて欲しいなあと思うのです。

 

「大人のADHD」のための段取り力 (健康ライブラリー)

「大人のADHD」のための段取り力 (健康ライブラリー)

 

 

 

 

 

 

 

運動会ストレス~発達障害特性から

 

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 先日のこの記事の中で、以前、長男が運動会のストレスのために転換性障害の症状が出たことに触れました。

長男は運動が得意です。

かけっこで人の後ろを走っている姿を見ることはあまりないです。

小学校の頃は選抜リレーの選手に選ばれたこともあります。

ボールを投げる動作が苦手ですが、それ以外の運動は上手くこなします。

では、何故、腕が動かなくなるほどのストレスを運動会に感じてしまうのでしょうか。

 

発達障害特性の一つに、感覚過敏というものがあります。

読んで字のごとく、感覚が普通の人よりも過敏なのです。

私にも、聴覚過敏と視覚過敏があることを、医療機関の検査で指摘されました。

どういうものかといえば。

大きな音は痛覚を刺激します。

普通の人でも、耳元で思いっきりシンバルを鳴らされたりしたら、耳に痛みを感じるのではないでしょうか。

私の場合、車のクラクションでもそうなります。

テレビの音、食器がカチャカチャいう音、店舗の館内放送、車のエンジン音、換気扇の音。

人の怒鳴り声、叫び声。

生活の中のあらゆる音が、耳から頭の奥に突き刺さる刺激になります。

音が無秩序に混ざり合っているのも、耐え難い刺激です。

スーパーなどは音の洪水で耐えられないので、できるだけ行かないようにしています。

刺激が強いと消耗するんですよね。

音の洪水にさらされた後は、ぐったりと疲れ果てて何もできなくなります。

以前はショッピングモールに行っただけで寝込んだりしてました。

もう一つ困ったことが、ざわざわした中で必要な音を聞き分けられないことです。

例えば電車の中だと、すぐ隣に座っている人の話でも、耳のそばで喋ってもらわないと全く聞き取れません。

学生時代はざわざわした休み時間の教室で、友人たちの雑談の声が聞き取れなくて辛かったことをよく覚えています。

何度も耳鼻科で検査をしてもらいましたが、聴力は正常でした。

音と同じ様に、光や色も強い刺激になります。

夜のコンビニやガソリンスタンドの明かりは眩しくてくらくらします。

晴れた日の日光は目の奥にしみるような感覚です。

解像度の高いモニターで映像をみると、気持ち悪くなります。

それらの刺激をそのままにしていると、まともに生活できません。

しょっちゅう寝込まないといけなくなります。

お薬を使ったり、工夫してどうにか乗り切っています。

こんな道具を使うこともあります。

 

 これは、私が実際に使っているイヤーマフです。音を遮断してくれます。

私は使っていませんが、こんなものも。

 

キングジム デジタル耳せん   MM1000 ホワイト

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 私はこれではなくて、ノイズキャンセリングイヤホンを使っています。

どちらも周囲のノイズを消して、必要な音を拾いやすくしてくれるものですね。

こんな道具をうまく利用しながら、どうにか生活しています。

 

長男にも、私と同じような感覚過敏があります。

音楽の授業は受けられないし、集会などマイクを使う場所では、イヤーマフを使います。

長男は私が使っているものよりさらに遮音性が高いものを使っています。

 

3M 防音 イヤーマフ JIS適合品 PELTOR ヘッドバンド式 H10A

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 運動会は、音の洪水ですよね。

放送は鳴りっぱなしだし、応援の鳴り物、笛の音、ざわざわした声、飛び交う怒声。

それに加えて。

長男は予測のつかないできごとが、発達障害特性上、苦手です。

いつも同じであることが、彼にとって一番安心できるのです。

運動会は予測できないトラブルだらけ。運動会自体が、いつもと違う事でもありますよね。

例えば、突然先生が大声を出したとしたら。

聴覚過敏で苦手な怒声を、予定外に出されてしまったということで、パニックになってしまうのです。

これは本人が我慢できることではありません。

我慢できるレベルのストレスなら、無意識に腕を動かなくしたりするわけないんです。

慣れることもありません。

慣れるものなら、どれだけ辛くても訓練します。

それで普通の生活ができるようになるなら。

私たちはなぜ障害者なのか。

健常者にとって何でもないことが、私たちにとっては越えようがないバリアだから。

車椅子ユーザーにとって段差がバリアの一つでであるならば、私たち発達障害者にとっては音や光や予測できないできごとがバリアになりうるのです。

長男は本当は運動会に出たいんです。かけっこやリレーで一番になりたい。

でも、その場にいることができません。

毎年、そんな葛藤が彼を苦しめてきました。

そして解離してしまったり。身体に症状が出たり。

苦しい気持ちを周囲に伝える術を持たない彼は、そんな形で苦しさを表出しているのです。

 

毎年、運動会の時期になると、ツイッターで悩ましい保護者の呟きを見かけます。

発達障害特性をもつお子さんが運動会を嫌がっているのに学校側の理解が得られないと。

確かに、特性がない人が、特性を感覚で理解するのは不可能でしょう。

ならばせめて、想像して欲しいのです。

その子の小さな胸の内にある葛藤を。

できることなら、みんなと同じにしたいのに、自らを守るために一人違うことをする決断をした勇気を。

何故、そうしたいと言っているのか。

想像してほしいのです。

そして、うまく折り合ってほしいと思います。

運動会をお休みにすることも一つの方法ですが。

例えば、出られそうな競技だけ参加してみるとか。

そうする為にはどうすればいいか。どんな配慮が必要か。

それこそ保護者と学校側が検討を重ねる必要があると思います。

せっかくの運動会、その子にとって少しでも良い経験になるように。

お休みすることを選んだとしても、その英断を大人たちが讃えてあげられたら素敵だなと思います。

それだけで、辛い気持ちが晴れて、良い思い出になってくれると思うので。

 

 

 

 

 

 

 

 

長男の二次障害

 

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 先日のこの記事では、長男に転換性障害の症状が出たことを書きました。

程度の差こそあれ、転換性障害はこれまで何度か長男を苦しめてきました。

長男には他にも二次障害(元々の困難さとは別の二次的な情緒や行動の問題)を抱えています。

 

解離性障害

解離とは、つらい体験を自分から切り離そうとするために起こる一種の防衛反応で、健康な人でも起こる事なのだそうです。

解離によって日常生活に支障をきたす様な状態を解離性障害と呼ぶのだそうです。

解離性障害は、発達障害知的障害を持っている人は割合として多く発症するのだとか。

普通の人より心のキャパが小さいので、解離しやすいのだそうです。

長男の場合は、記憶がすっぽりと抜け落ちる、体が一時的に動かなくなる、目が見えにくくなる、けいれん発作、振戦(体の震え)、意識がもうろうとする、意識がなくなるなど、様々な症状が出ています。

転換性障害解離性障害の一種なのだそうです。

精神的な症状として出るのが解離性障害、身体的な症状として出るのが転換性障害なのだとか。

どちらも根っこは同じ、ストレスの元から自分を守るために現れる症状です。

本人は、全く無意識です。

長男の場合は、ストレスの元が何かを特定することもできません。

本人の意識化では、そのことをストレスだと感じていないのです。

むしろ楽しみにしている事だったりする場合もあります。

例えば、長男が頑張っている水泳の試合の前や、学年末の時期など。

不安もあるけど、楽しみな事ってありますよね。

長男はその不安を不安だと自覚することができずに、無意識に体を動かなくしたり、記憶を消したりして、不安から自らを守っているのです。

恐らくは不安を自覚することができれば、これらの症状も出なくなるのではないかと思われます。

キーワードは言語化です。

知的障害発達障害をもつ長男は、自分の気持ちをうまく言葉にする事ができません。

なので、周囲の人が丁寧に彼の気持ちの動きを汲み取って、彼の心の奥の形にならない、自覚されることすらない不安を丁寧に本人に代わって言語化します。

気持ちを代弁するのですね。

難しいことだし、根気のいる作業でもあります。

これを支援者の皆さんのお力を借りながら、地道に繰り返しています。

 

退行

解離性障害の発作を起こした後、現在18歳の長男が言葉も喋れない幼児のようになってしまうことがあります。

知的障害者に時々みられる、退行という現象です。

赤ちゃん返りと言えばわかりやすいでしょうか。

退行も、健康な人にも現れるのだそうです。

追い詰められると子供のようにふてくされる人、たまにいますよね。

気を引くために無意識に子供っぽい行動をとったり。

そんなレベルなら笑ってやり過ごすこともできますが、長男の場合は、言葉もわからない幼児のような状態が、ひどい時は何週間も続きます。

そうなれば、すぐに入院して環境を変えます。

しばらくの間、様々なストレスから離れた生活を送ると、元の長男に戻ります。

退行していた間の記憶はありません。本人からすれば、タイムスリップをしたような感覚になるようです。

 

これまで、何度も。

私たち家族は長男の二次障害に苦しめられてきました。

今は主に上記の二つの症状しか出ていませんが、以前はもっと様々な症状が現れていました。

なぜ、こんなに次々に苦しい症状が出るんだろう。

長男ばかりが、なぜ。

何年も何年も、悩ましい日々が続きました。

障害は受け容れられます。工夫して、問題なく生活していくことができます。

でも、二次障害は。

いつもいつも、突然現れて、穏やかな生活を壊します。

何年たっても中々受け容れられず、治すことや症状を出さないようにすることばかりを考えていました。

でも、治らないんですよね。

治るものではないんです。付き合っていくしかない。

症状が出ないように、いくら私が本人の前からストレスになりそうなものをよけて回っても。

100%は無理なんです。

それならば、本人のやりたいことやらせてあげて、症状が出たら対応すればいいや、とやっと思えるようになりました。

この記事を書こうと思ったのも、受け容れることができたからだと思います。

これから長男が成長していくにつれ、二次障害も形を変えていくのだと思います。

何が来ても慌てないくらいには、私も鍛えられました。

二次障害を怖がらないで、長男が色んなことにチャレンジしていくのを見守っていきたいと思います。

 

解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理 (ちくま新書)

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クララが立った~転換性障害

 

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 8月の終わりに、我が家の長男は突然足が動かなくなって、車椅子生活になってしまいました。

入院して様々な検査を受けましたが、どこにも異常は見つからず。

原因は心因性ということで、治るかどうか全く見通しが立たない状態になりました。

それでも少しでもできることをしようと長男は入院先でリハビリを受けはじめ、私は学校や相談支援員さんに連絡して、面談の予約をいれました。

その矢先のことです。

なんといきなり長男が立ち上がって歩き始めました。

まあ、びっくり。

立てなくなってちょうど一か月が過ぎた頃でした。

突然立てなくなった長男は、これまた突然立って歩けるようになったのです。

 

アルプスの少女ハイジという物語に、足の不自由なクララという少女が登場します。

彼女は、身体機能的には何の問題もないのに、どうしても立って歩くことができません。

本人は歩きたいのに、どうしても歩くことができないのです。

長男は、彼女と同じなのだと医師から言われました。

クララは車椅子を蹴飛ばされたことがきっかけで突然立てるようになりました。

長男も、車椅子を蹴飛ばされるようなきっかけがあればよくなるよ、と言われました。

転換性障害という心因性の病気で、その中の失歩という状態だったのだそうです。

 

転換性障害とは。

様々なストレスや葛藤を、身体症状として経験(転換)する病気なのだそうです。

症状は様々で、腕や足の麻痺や、体の一部の感覚の喪失や、声が出なくなったり、目が見えにくくなったりすることもあるのだそうです。

発作もあるのだとか。

長男は以前、運動会の前に腕が肩より上に上がらなくなったことがありました。

その時も整形外科に通って検査やリハビリをしましたが、やはり原因はわからず、リハビリも効果が得られませんでした。

でも、運動会が終わったとたんに何事も無かったかのように元通り。

それも転換性障害の症状の一つだったのです。

 

前回は運動会というわかりやすいストレスがあったので、それが終われば元に戻るだろうと見通しが立てられました。

でも今回は、下半身麻痺という大きな症状を引き起こすほどのストレスは見当たりませんでした。

やはり、様々なストレスが積み重なって、知らないうちに彼のキャパがいっぱいになってしまったのだと思います。

どうすれば良いか、悩ましい日々でした。

私が長男の車椅子を蹴飛ばせば治るのならそうしますが、そんなことがあるはずもなく。

そんなある日、長男が入院先の病棟看護師に辛く当たられると電話してきました。

長い入院生活の疲れもあったのでしょう。

なだめたり励ましたりしながら何度か電話をする内に、激しく嗚咽しながら泣き出しました。

嫌なことをいっぱい思い出して辛い、というのでとりあえず頭を冷やすようになだめて、病棟スタッフを呼ぶように告げて電話を切りました。

しばらくして。

長男からまた電話がかかりました。

第一声が足が動いた、でした。

にわかには信じられず。

すると、写真を送ってきました。

確かに、全く力が入らなかったはずの足がまっすぐ伸びていました。

いきなり立つのは危ないから、病棟スタッフを呼んで見せるように告げて電話を切った後、長男はすぐにドクター立会いのもと、立って歩いたのだそうです。

クララが立った瞬間でした。

長男の車椅子を蹴飛ばしたのは誰でもない、長男自身だったのだと思います。

 

それから二日たった今日、歩行に問題はないということで車椅子を返却しました。

今週末には退院ということで話を進めています。

来週からは学校にもぼちぼちですが行くことになるかと。

また元気に好きな水泳や自転車を楽しむこともできそうです。

再発はあるかも知れません。

解離性障害として症状がでるかも知れません。

でも怖がらないで、若い今の毎日を楽しめることを大事にしてあげたいと思います。